飼育しているのは病気に強い地鶏と採卵品種の掛け合わせ
当会はこれまでグループ積み立てを通した養鶏プロジェクトの支援をしていましたが、このたび新たに養鶏プロジェクト単独での支援を開始しました。このプロジェクトはこれまでのようにグループを対象として実施するのではなく、個々の農家を対象として実施するプロジェクトになります。
プロジェクトで目指すのは各世帯の収入向上ですが、それだけでなく、支援対象農家をその村における養鶏専門家として育てていくことにあります。将来的に支援対象農家(養鶏専門家)を核として、当該村での養鶏の普及および技術指導ができるようにしていく計画です。
したがって要望があれば誰でも支援するというわけではなく、支援対象村において3年以上の観察期間を置いた上で、対象農家を選定します。グループを対象とする場合は全体で知恵を出し合い、力を合わせて課題を乗り越えていくこともできますが、個人を対象とした場合、その人の辛抱強い努力と向上心に負う部分が大きいためです。その見極めはなかなか容易ではなく、数回程度の調査ではとても判断できません。
今回プロジェクトを開始したのはテマ村とロレ村ですが、両村とも当会が長く活動してきた村です。この2村となった背景は、まさに上記の理由による観察期間を十分に置くことができたからです。この結果、テマ村では養鶏への要望が出されていた村人の中からアマニ・モシ氏を対象農家として選定し、プロジェクトを開始することにしました。
プロジェクトでは最初に養鶏セミナーを実施し、次に鶏舎の整備を行います。これまでは他の村人たちと同様、小さな鶏小屋に鶏を囲い(写真1、2)、昼間は放し飼いというスタイルでしたが、これを鶏舎内での平飼いにあらためます(写真3、4)。こうすることで月齢別に鶏を管理できるようになり、採卵用の鶏として効率よく飼えるようになります。また舎飼いは病気を避けるためにも必須です。
これまでにセミナー、鶏舎建設を完了し、雛100羽の導入まで終えました。民間の養鶏専門家に依頼し、必要なときに助言を得られる体制も整いました。
鶏が卵を産み始めるまで5ヶ月ほどかかりますが、今後は定期的に飼育記録をとることが重要となってきます。それらを見ながら鶏舎にさらに手を加え、飼育方法を指導していくことにしています。結果に是非ご期待ください!
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