海外活動その他
事務所でミーティング中のTEACAリーダーたち
TEACAの本拠地はキリマンジャロ山の東南山麓、標高約1,600mのテマ村にある。本拠地といっても、実はTEACAには事務所がなかった。TEACAが活動を開始して約20年になるが、彼らは限られた予算のすべてを植林などの活動に最優先してあててきた。
最初の頃は教員用の空き家があったので、そこを使わせてもらったこともある。しかし教員が配属されてそこが使えなくなると、今度はミーティングの時だけ、小学校に頼んで教室を使わせてもらった。学校側は比較的好意的に教室を使わせてくれたが(もちろん授業のない時)、やはり相当肩身は狭かったといえる。教室が使えないときには、学校の校庭で立ち話よろしく、みんな立ったままでミーティングなどということもあった。
そのTEACAがついに自前の事務所を持てることになった。活動の広がりと共に様々な不効率や不便が生じてきている実状を村人に説明したところ、事務所建設のための資材などを少しずつ、村の人たちが提供を申し出てくれたのである。
「だったらワシの土地を使え」。そう申し出てくれたのは村の古老であった。「砂利さえあれば、オレがブロック作ってやろうか?」ほかの村人たちもそれに応える。みんな自分たちが出来る協力を、惜しまず申し出てくれたのだ。
それらの言葉に、この地域でTEACAが果たしてきた役割の重さを、あらためて実感する。
事務所はいまも建設途中であるが、TEACAはとりあえず使えるようになった一部屋を利用して、業務を開始した。ランプの明かりのもと、プロジェクトの打ち合わせに深夜まで没頭することもある。