事務局日誌: あちらもこちらも揺れている

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日本はいま、耐震強度(構造計算書)の偽装問題で揺れに揺れている。震度5弱で自分の住んでいる建物が倒壊するかも知れないなどと言われたら、この日本ではたまったものではない。震度5弱の地震など、たったいま起こってもおかしくないのだから。本当に生きた心地がしないだろう。きっとタンザニアで建築中のビルみたいな柱や鉄筋なんだろうなと思うと、妙にリアルで怖い・・・。

などと思っていたら、タンガニーカ湖を震源とするかなり大きな地震(12/5発生、マグニチュード6.8)のニュースが飛び込んできた。震源近くの村では、倒壊した家やその下敷きとなって亡くなった人もいるらしい。しかし僻地故か、それ以上の詳しいニュースは入ってこない。震源から遠く離れたケニアのナイロビやダルエスサラームでも揺れを感じたというから、相当大きかったことだけは間違いなさそうである。

大地震といえば異なるプレート同士がぶつかり合い、沈み込みを起こしている場所、たとえば海溝の近くなどで発生するというイメージが強く、アフリカで大地震という話はあまり記憶にない。しかし地球の裂け目、プレートが生まれる場所である海嶺や、東アフリカを南北に貫く大地溝帯なども、地震の発生帯であることに変わりはない。

アフリカであまり地震のニュースが聞かれないのは、こうした地溝帯がほとんど平原で人も少ないため、地震は起きているが大きな被害が出ていないということなのだろうか?海嶺も海溝と比べると大洋の真ん中を走っていて、そこに起因する地震も、海溝の場合のそれと比べて大きな被害が出ないようにも見える。

以前この日誌にも書いたが、私もキリマンジャロ山で1回だけ地震にあったことがある。震度3ほどだったと思うが、いかにも大きな山が揺れているといった、のっさのっさといった感じの揺れだった。村人たちはというと別に慌てる風でもなく、「ああ、揺れているね」と拍子抜けするくらい呑気だった。大地震で家が潰れるなどの経験がない故なのか、それとも本当に呑気なだけなのか??キリマンジャロあたりでは滅多にない地震なんだからもっと驚こうよ!と一人慌てた自分が恥ずかしかった。

地震国日本では震度2くらいの大した地震ではなくても、一様にみんな顔をこわばらせ、部屋の中が一瞬固まる。地震、雷、火事、親父の国、緊張感が違うのだ、と自分を納得させていたが、今回の地震では、ナイロビの人たちも一瞬パニックになってビルを飛び出したらしい。なんだ、自分が人一倍怖がりなのではなかったんだと少し安心した。

いやいや、私が現場にいたら、真っ先にビルを飛び出したのはやはり私だろう・・・。

 

『アフリカ東部でマグニチュード6.8の地震、死傷者の情報も』

[ナイロビ/キンシャサ 5日 ロイター]

東アフリカのタンガニーカ湖付近で5日午後、大きな地震が発生した。

発生時刻は1219GMTで、米地質調査所によると、マグニチュードは6.8。震源地はケニア・ナイロビからおよそ975キロ南西に位置するコンゴ民主共和国のカレミの近くという。

揺れはケニアとコンゴのほか、ブルンジ、ルワンダ、タンザニアでも感じられたという。

キンシャサの国連人道問題調整事務所の広報担当はロイターに対し、「家屋がしっかりとした造りでないため、大きな被害がでている。住民の話によると、死傷者がでている模様だが、具体的な数字はわかっていない」と語った。

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