事務局日誌: 台風一過

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台風が去り、東京も一気に気温が上がりました。例年だとこの時期にはタンザニアに行ってしまっているため、日本の夏は本当に何年ぶりでしょうか(10年ぶりくらい??)。

今回の台風では近畿地方では24時間で400mm以上の雨が降っていますが、私たちが植林に取り組んでいる半乾燥地では、一年間の雨量が400mmちょっとです(ひどい年は150mm以下)。

土砂崩れも困りますが、「どんな高度な技術より、水さえあれば木は根付くのに・・・」という現地の人々の声を聞くにつけ、なんと日本の恵まれていることか、と思わずにはいられません。

湯水のごとく使う、3尺流れて水清し、水に流す。

キリマンジャロ山から流れ出た川は、下流に行けば太くなるどころか、どんどん細くなってやがては消えてしまいます。

日本で取り組んでいる菜園活動でも、この時期2週間放っておくと、もう草ぼうぼうです。草取りのことを考えるとクラクラきますが、タンザニアの村人たちが見たら、さぞや羨ましがるだろうと思います。「牛や山羊の餌を取るのがどんなに楽なことか!」と、そう思うに違いないからです。

それもこれも、日本が水に恵まれているからこそ。一方、その日本では、おいしくて安全な水を飲むためには、蛇口に浄水器をつけなければならないという悲しい現実が広がっています。“3尺流れて水清し”はいまや過去の話で、今日では3尺流れたらもっと汚くなるのがオチでしょう。

なんだか水道局の差し金のようで嫌なのですが、水は限りある資源なのだということを、いくら強調しても損はなさそうです。マータイさんではありませんが、「勿体ない」と思えることは大切です。大事に、そしてありがたく使いたいものです。

余談ながら、イスラムにあるラマザン(断食月)ですが、考えてみれば「唾すら飲み込んではいけない」という厳しさは、人が水のありがたさに思いをいたすには、これ以上のことはないかも知れませんね。身をもって知ることで、より深く理解する心を持つというのは、このラマザンの大切な教えでもあったやに記憶しています(間違っていたらごめんなさい)。日本でも「水を使わない日」とか作ったらどうでしょう?No waterキャンペーン・デーとかいって。水道局に怒られるからダメか?お粗末でした・・・。

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