事務局日誌: 問われる支援のあり方

  1. TOP
  2. 投稿
  3. 事務局日誌: 問われる支援のあり方
その他

大震災から2年が経ちました。被災地の方々は今でも毎日が戦いの日々なのだと思います。

先日、岩手県大船渡市で支援活動を行っている方のお話を聞く機会がありました。津波で流されてしまった水産加工場で働いていた女性達が何か経済的に自立できる手段を、ということで女性達自身が編み物や小物作り始め、それを東京で販売する活動をされています。震災直後は支援の意味で多くの方が購入してくれたそうですが、現在の課題はより付加価値のある完成度の高い製品を作ることだそうです。また一方で全国のあらゆる人が「何かできることはないか」と支援の申し出があるそうですが、そのための受け入れ準備が大変であるのと、自立的な復興に向けての運動が起こっているのに逆に支援の申し出がその阻害となり、被災者の方にも“受け入れ疲れ”が見られるというお話もありました。被災者の方々は外部の力を借りなければ明日の命も危うかった時期から抜けだし自分たちの力で何がやりたいのかという時期に来ているのだと思います。支援する側も資金や物資を送る「何かをしてあげる、与える」というあり方も転換を迎えてきているのではないでしょうか。

被災地への支援のあり方は海外の途上国に対する支援に共通する課題があるのだと感じました。命が危うい状況以外では一方的にモノや資金を与えるのではなく、問題に直面している人々の側に立ち、ともに課題を考え、相手の意志を尊重することが大切なのだと改めて考えさせられました。

一覧へ