収穫されたテラピア。アフリカ原産だが、日本でも養殖されている。
TEACAの活動の自立を目指して取り組んでいる収入向上事業の一つ、養魚池事業。TEACA事務所の建設にともない、それまでオリモ小学校にあった池を、事務所脇に新たに造成した。
その新しい養魚池での、第1回目の漁獲が実施された。池で育てられているのはテラピアというアフリカ原産の魚。プランクトンや草などを食べて育つため、ランニングコストがかからないメリットがある。水温の高い低地では年に2~3回漁獲できるが、キリマンジャロ山の高地では年1~2回となる。
今回捕れたのは全部で104匹。放流されたときの稚魚は大きさが5cmほどであるが、20~25cmほどに成長している。捕れた魚は大きさ別に分けられ、その場ですぐに村人に販売される。市場で魚売りの商売をやっている女性たちもやってくる。
「高い」、「いや、安い」、「だったらその大きいのを1匹おまけしろ!」など丁々発止のやりとりがされるが、そんなやりとりを傍らで聞いているのも面白い。商売人相手になると、さすがのTEACAのリーダーもちょっと押され気味である。しかし小さいのを除いて完売した。売り上げは9千シリング。日本人の感覚でいうと2万円くらいになるだろう。
残った小さな魚はというと・・・。漁獲の様子をキャーキャー大騒ぎしながら見ていた少女たち。彼女たちの目が訴えている。「この魚はきっと私たちのものよ!」と。その眼差しにまたしても負けてしまうTEACAリーダー。「分かった、分かった、持ってけ、持ってけ。でもちゃんと全員に行き渡るように分けるんだゾ!」。
少女たちの小さな手に大事そうに握られた小さな魚たち。「アサンテー!(ありがとー!)」と言い残して彼女たちは走って家に帰っていく。商売抜きだが、そんなやりとりを見ているのは、やはり悪くない。
〔No.29 その他の内容〕
●オピニオン: モッタイナイ
●プロジェクトの現場から: 取り組み状況報告
●キリマンジャロ州モシ県 降雨 最新状況
●Sia lives on kilimanjaro (その1)
~キリマンジャロ山の森に暮らす少女の物語を紹介します~
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