有機農業セミナーを開催

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タンザニアといえばキリマンジャロコーヒーの産地として知られています。ときどき、「栽培している村人たちは、農薬を使っているんですか?」という質問を受けることがありますが、答えは「No」です。だからといって彼らが無農薬栽培にこだわっている訳ではありません。アラビカ種であるキリマンジャロコーヒーは病害虫にとても弱く、良い品質のコーヒーを栽培しようとすれば、農薬は必須とさえいえます。しかし村人たちには高価な農薬を買うお金はなく、結果的に無農薬栽培になっています。したがって当然のこととして、良い品質のコーヒーはほとんど採れず、「AA」などという最高クラスのコーヒーは、ほぼ外国資本による大規模エステートで収穫されたものに限られます。もちろん、そうしたところでは、農薬を使っています。

村人たちにとってこうした状況は、肥料についても言えます。化学肥料などはやはり買えないため、キリマンジャロ山の農民たちについて言えば、飼っている家畜(主に牛)の糞を、樹木の枝葉などと混ぜて畑に入れています。その意味では、彼らの栽培するコーヒーは、立派な有機無農薬栽培コーヒーだと言えます(品質に目をつぶればですが・・・)。

 

そこでポレポレクラブでは、病害虫に強い品種のキリマンジャロコーヒーを村に普及する取り組みを行っていますが、このたびカウンターパートのTEACAは、タンザニアの農業大学ソコイネ大学から、土壌学の専門家キマロ教授を招き、農家を対象とした有機堆肥作りとアグロフォレストリーのセミナーを実施しました。

熱心に講義に耳を傾ける村人たち

熱心に講義に耳を傾ける村人たち

実際に発酵堆肥を作ってみる

実際に発酵堆肥を作ってみる


セミナーでは有機農業についてその仕組みと方法をプロジェクターを使って説明し、その後フィールドに出て土、作物残滓(モロコシの茎)、葉っぱ、牛糞を交互に積み重ねて作る発酵堆肥作りについて、実習を行いました。またフィールでは、コーヒー農家を対象に、コーヒーと樹木の適正配置やマルチング(根覆い)による肥料効果保持と水分保持の大切さも教え、これに従った植え付け実習を行いました。

さらに不耕起による野菜栽培についても紹介がされましたが、これについてはデモプロットで実験的に試みてみて、実際に効果がありそうか様子を見てみることにしています。

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