現地カウンターパートのTEACA(Tanzania Environmental Action Association)は、家庭の事情などさまざまな理由で中学校に進学することができなかった村の少女たちを対象として、彼女たちの自活を支援するための裁縫教室を運営しています。
彼女たちはTEACAの事務所に併設された教室で2年間、縫製と編み物の勉強をします。TEACAはそんな彼女たちに、授業の合間を縫って苗木の育て方なども教えています。
環境を守っていく取り組みは、何かをしたからといってすぐにその結果が出ることはほとんどありません。たとえばキリマンジャロ山で村人たちが取り組んでいる植林活動も、苗木が植えられ森が回復するまでにはどんなに早くても10年、樹種によっては20年以上かかることもあります。
こうした取り組みに村人たちが息長く取り組んでいけるようにするためには、彼ら/彼女たち自身の生活余力を少しでも生み出していくことがとても大切です。今日、明日の心配をしなければならないときに、遠い将来のことまで考えている余裕はないからです。
植林に取り組んでいるTEACAが裁縫教室の運営を手がけたのは、先ほども触れたように第一には少女たちの自活を支援していくことにあります。しかし同時に、村人たちが今日、明日の心配をしなくても済むようにしていくことが、将来にわたって息の長い環境を守るための取り組みを支えていくと考えたからです。とくに少女たちは村の中でも弱い立場にあり、優先課題として裁縫教室の立ち上げに取り組みました。
さて、そんな裁縫教室の授業の合間、TEACAのリーダーは教室に通う生徒たちに苗木の育て方なども教えています。「ここでは環境のこともしっかり学んでもらわねば」とはTEACAのリーダー、ンジャウ氏の弁。写真に写っている生徒たちもとても真面目そうですよね。しかし、実はちょっと目を離すとそこはもう女の子たちのこと、キャッキャとはじまり、もう大変。手より口を動かすのに忙しく・・・。そのうちTEACAのリーダーに怒られるぞと思う一方、どこの国に行っても変わらないものは変わらないものだと妙に納得したり。