このたびの西日本の記録的豪雨により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々や関係者の方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
被災された地域の一刻も早い復旧・復興と、被災された方々に一日も早く平穏な日常が取り戻されますよう、お祈りいたします。
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図表:キリマンジャロ山麓モシの町の降雨量データ
(一番左が2000年、右が2018年になります)
私たちが活動しているタンザニアでは、すでに本格的な大雨季シーズンは終わりました。現地の大雨季の雨は「バケツをひっくり返すどころか、まるで滝」といった印象を持ちます。車に乗っていると前後左右の見通しがきかなくなり、何よりそのすさまじい雨音に恐怖すら抱きます。
さすがにアフリカの大雨季の雨は桁が違う「あれは経験しないと分からない」などと思っていたものです。ところが最近ではすっかりそのような考えも消え失せてしまいました。今回の7月豪雨だけに限りません。「ゲリラ豪雨」という言葉は今や日本ではおなじみですが、そのゲリラ豪雨によるとんでもない雨はすでに毎年の恒例行事のようです。
例えばここに示したグラフは、キリマンジャロ山の麓の町モシの2000年から今年までの雨量を月別に示したものですが(今年は5月までのデータ)、一年の大部分の雨が大雨季真っ盛りの4月(黄色の部分)と5月(ピンク色)に集中しているのがお分かり頂けるかと思います(なかでも4月の一ヶ月間に集中)。総雨量こそ東京の半分ほどしかありませんが、ほとんどの雨が大雨季に一気に降るため、その雨が半端なものではないことは分かります。とくに今年の大雨季は近年にない雨量となり、5月までで2000年以後の各年の年間降雨量をすでに超えてしまいました。
ところがその今年でさえ、4月の「月間」降雨量は482.5ミリです。これは東京の1981年~2010年までの月別平均降水量で最大なのが、台風シーズンの9月の209.9ミリであることと比較すると、やはり半端ではない降水量と言えなくもありません。
ところが、例えば先日の7月大豪雨では、「1日の降水量」で高知県安芸郡馬路村魚梁瀬で691.5ミリの雨が降りました。7月大豪雨では、1日雨量としてはこの数字が全国最大ですが、同20位の愛媛県西予市宇和でも347.0ミリを記録しています。一日雨量が100ミリを超えるような雨も、いまの日本ではあり得ないことではなくなっています。
では同じように近年まれに見る雨量となったタンザニア(モシ)の4月の降水量で、日量最大値はどれくらいだったかというと、67.9ミリに過ぎません。平均雨量でモシの2倍近く降るキリマンジャロ山麓テマ村でも、4月の最大雨量(1日雨量)は80.0ミリです。
東京都心でも、昨年の8月19日にはゲリラ豪雨で「1時間」雨量で50ミリを上回りました(このとき雷は2時間で1,000発以上発生したそうです)。
タンザニアの大雨季の雨には確かに恐怖も感じましたが、一方で自然の持つ力への感動のようなものも感じていました。しかし昨今の日本、そして世界の異常気象には、恐怖とこの先への恐れしか感じません。人類の持つ科学力と強力なインフラでこれに対抗することも必要かも知れませんが、私たち一人一人に出来る何か小さな実践と日々の積み重ねが、総和としての大きな変化へと繋がっていくよう気がしています。それは身近な環境を守ろうと、1本1本苗木を植えているキリマンジャロ山の村人たちと変わらないことなのだと思います。
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