作物残滓等を利用した代替炭
カウンターパートのテアカは、ポーランドのNGOの支援を受けて代替炭製造のプロジェクトを実施しています。この代替炭は、収穫後のモロコシ等の作物残滓を利用して炭を作るもので、山麓住民が森林由来の薪等に依存せずに煮炊きできるようにすることを目的としています。火力は普通の薪に比べると若干劣るものの、煮炊きするには十分な火力を得られます。また大雨季シーズンなど、薪集めや湿った薪の火付けなどが大変な時期に、この代替炭が使えると大変便利です。一方テアカは、代替炭の販売を通して収入を得られるようになります。
この代替炭の製造プロジェクトは、テアカを通してさらにモシ県内の複数の小中学校に展開されています。ところがテアカも小中学校も、ほとんど製造できていません。理由はいろいろあるのですが、原材料である大量の作物残滓を集めるのが難しい、代替炭を作るのにかなりの労力がかかる、調理に特別なカマドが必要になる、といったところがネックとなっています。
小学校で放置されている学校給食用代替炭大型カマド
しかしプロジェクトの目的は決して悪いものではなく、また展開されたプロジェクトを放置してしまうことも問題があります。残念ながら製造については大規模な設備を導入したテアカ以外、手動製造に頼る小中学校では労力の問題が解決できそうもなく、諦めることにしました。そこでまず、学校給食用の代替炭用大型カマドを、薪に対する大きな需要のある寄宿制の中学校を抽出し、配置転換することにしました。すでに設置されている学校数に比べて寄宿制学校は少ないため、それなりの数のカマドが、元の学校に無稼働状態で残ってしまいますが、それらについては後々考えていくことにしました。
一般家庭用の代替炭カマド
配置転換した寄宿制学校でも、代替炭の製造はしません。製造、供給は設備を持つテアカにすべて集約するようにします。調理に特殊なカマド(村人にとってはかなりの高額)が必要となる以上、村内でこの代替炭の普及を図るのは困難と考えられます。したがって現有の学校用カマドをいかに最適配置し、それによる安定需要の確保とテアカ設備の稼働率向上、そして確実な収入に結びつけていくことが、プロジェクト立て直しの鍵だろうと考えています。
すでに寄宿制学校2校にサンプルの代替炭を提供し、給食調理に有効であるとの回答をもらっています。早ければ年内に学校委員会で代替炭への切り替えについて最終判断が下される予定となっています。何とか良い結果に結びつけ、残っているカマドの再配置へと進められればと思っています。
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