タンザニア・ポレポレクラブが支援しているキリマンジャロ山麓テマ村のコーヒー生産農家グループ”KIWAKABO”(Kikundi cha Wakulima wa Kahawa Bora)。これまで当会では、主要な病害に対して耐性のある新品種の村内での育苗技術確保、コーヒー畑への新品種植栽後の栽培指導を手がけてきました。昨年からいよいよこの新品種の市場への出荷が始まり、今後はKIWAKABOの組織基盤の強化にも重点を置いていくつもりです。
基盤強化のために取り組むべき課題は山積しており、まずグループとして販売価格の高い独自の販路ルート確保のためにも、出荷できるコーヒーの全体量を増やす必要があります。ロットの小さいコーヒーでは買い手はつかないからです。普通に考えれば栽培量はほぼ出荷量に相当するはずなのですが、これまで協同組合(KNCU)を経由して販売していた多くのメンバーは、コーヒー豆をKNCUに渡した段階(=まだ販売はされていない段階)で、前払いとしての一時払いを受けていました。この方法に慣れているメンバーたちは、KIWAKABOに対しても自分の豆を渡した段階での前払いを期待しています。ところがKIWAKABOにはそのための準備資金がなく、結果としてKIWAKABOメンバーのコーヒーがKNCUに流れてしまうという現象が起きています。
そこでKIWAKABOからは当会に対して、この買い取りのための準備資金支援に対する要請が出されていました。当会では資金支援の前に、組織運営の基礎となるデータの整備とその管理能力の向上が先であるとして、この要請を時期尚早として断っていました。またこのため、データの整備作業に着手しました。その結果、これまでにKIWAKABOの全メンバー(191人)の畑の所有面積、植栽本数、生産実績及び計画等が一元管理できるようになりました。
当会としては、次にこうしたデータを積極的に活用して、組織運営に活かしていける態勢の構築を目指していくつもりです。資金支援はその態勢ができあがった時点で実行に移したいと考えています。
KIWAKABOメンバーのフォヤ氏と彼のコーヒー畑