キリマンジャロ山の森林減少と気候変化

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海外活動森林保全

最近アメリカでの異常寒波のニュースがよく報道されていましたが、ここ日本でも「今冬一番の寒波が・・・」という出だしのニュースがまるで繰り返しでも見るように流されていました。こんなニュースを聞いていると、「本当に地球は温暖化しているの?」と言いたくもなります。

もっともこの寒さ、やはり地球温暖化が影響しているとの報道もあり、北極圏での気温上昇が、それを取り巻くように吹いていたジェット気流を弱めてしまい、そのことで北極圏に閉じこめてられていた寒気が南下してきているせいだとか。そうなると、これからは毎年厳冬ということになるのでしょうか?

一方、私たちの活動とも深い関わりのあるキリマンジャロ山の麓の町モシでは、近年平均気温が上昇しており、「アフリカ一番の暑さを経験」といったショッキングなニュースが流れたのは2012年のことでした(2012年1月25日付タンザニア・デイリーニュース)。

ではこの気温の上昇が、地球温暖化によるものなのかと言えば、最近の現地の認識は少し違ってきています。ひところキリマンジャロ山の山頂氷河の消失を中心として、その原因は地球温暖化にあると言われていましたが、どうもその原因は、よりキリマンジャロ山の森林の消失に起因しているようです。この記事の中でも、モシでの気温上昇と降雨の減少は、キリマンジャロ山の森林減少が原因であると述べられています(モシ県都市・環境計画局長アレックス・ポテカ氏および国会議員のグレース・キウェル女史の発言)。

同様に昨年も、モシは気温上昇により平均気温が約40度となり、最高気温は43度に達するだろうと報じられました(2013年4月8日付タンザニア・デイリーニュース)。

ここでも気温上昇は、キリマンジャロ山の森林帯における野火、違法な大量伐採等による森林の消失が原因であると報じられています。

現在2月末に開催予定の植林ワークキャンプに向けて、参加者への資料を作成しているのですが、これまでモシの気候については「東京の夏と同じ」と説明してあったのですが、平均気温40度ともなれば、この説明は書き換えなければならないでしょう。

新聞記事も口だけで何もしない政府関係者の発言ばかり取りあげないで、たいして光も当てられない中、キリマンジャロ山の森林を回復しようと、長年地道に植林に取り組んでいる地域の人々の行動をこそ取り上げるべきでしょう。

 

キリマンジャロ山の裸地化した斜面で植林に取り組む村の女性たち

キリマンジャロ山の裸地化した斜面で植林に取り組む村の女性たち

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