裁縫教室-政府認定校への壁

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海外活動裁縫教室

 

TEACAの運営する裁縫教室は、これまでタンザニア教育職業訓練省管轄下にある職業教育訓練公団VETA(Vocational Education and Training Authority)の民間認定校として、卒業生には、技術認定のための国家資格試験受験資格が認められていました。 

 

しかしVETAの教育訓練制度の変更(Competence Based Education and Training (CBET) systemの採用)により、これまでの民間認定校はすべてその資格を失うことになりました。このためTEACAの裁縫教室も、2011/2012年度の受験を最後にその後国家試験が受けられない状態となっています。 

 

TEACAは再度裁縫教室をVETAの公式認定校として登録して貰うべく、VETA側と折衝していますが、状況はあまり芳しくないといえます。認定校となるためには教場設備、資機材、生徒の収容力、カリキュラム等々、2cmほども厚さのあるマニュアルにびっしり記載された認定要件をクリアしていく必要があります。 

 

TEACAは認定校となるため、すでにタンザニア北部地域担当の教育訓練調整官による裁縫教室の調査も受け入れ、いくらかの設備拡充が必要である旨の指摘を受けましたが、それ自体はあまり大した問題ではありません。また調整官はTEACA裁縫教室の卒業生がほとんど全員国家試験に合格していることを知り、非常に満足して調査を終えました。 

 

しかしだからといって認定校になれるわけではありません。先のマニュアルでもっとも大きな壁となっているのが、教師のキャリアです。専門学校を卒業し、政府の技術訓練校で数年以上の指導経験がある教師であることが、認定校となるための資格要件の一つとなっています。そうしたキャリアを持つ人材は、みな都会や町で職を得て働いており、山間の村にある裁縫教室ではとても確保できません。もちろん高いサラリーを払えば不可能ではありませんが、TEACAにはその資金はとても捻出できません。 

 

ただ認定校となること自体、まだ諦めたわけではありません。設備の拡充を図り、申請書類の準備はそのまま進める計画です。教師については、こちらの能力の範囲内で受けて貰えそうな人を探し、また現在の裁縫教室の教師を政府の専門学校に通わせ、必要な資格要件を満たせるようにする等の方策を考えています。 

 

すぐには結果は出そうもありませんが、認定校となるべく辛抱強く手を打っていくしかないだろうと考えています。 

 

TEACA裁縫教室で編み物を学ぶ生徒たち

 

 

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