伝統溜め池 "Nduwa" 復旧・拡張工事完了間近

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キリマンジャロ山では雨量の減少から、数を減らす一方であった伝統灌漑水路”Mfereji”の重要性が、あらためて見直されている。当会では2009年度から、キリマンジャロ東南山麓、オールドモシ地区のキディア村において、度重なる土砂崩れによって埋もれてしまったキディア伝統水路の復旧に、村と協力して取り組んでいる。すでに本水路の復旧(2.7km)は完了したが、現在、水路の上流に築かれている伝統溜め池”Nduwa”の復旧・拡張工事を行っている。

この伝統溜め池”Nduwa”は、水路の水量確保を目的として、水路の上流及び中流に1~3カ所築かれていることが多いが、水路の衰退に伴い、維持管理がされなくなり、機能しなくなっているものも多く見られる。

村ではすでに復旧した本水路の水を使って、さっそくこれまで困難だった野菜栽培などが始められている。これまで野菜は、他の村で栽培されたものを買うしかなかったが、自村で栽培された安い野菜が出回るようになってきている。

こうしたことから、村人の水の安定供給に対する思いは強い。現在復旧に取り組んでいる溜め池は、これまで木と土でできていた堰の部分が、大分以前に鉄砲水で押し流されてしまい、破壊の程度が大きかったことから復旧できずにいた。この溜め池は、同時に2本の伝統水路に水を流すことができるようになっていることからも重要性が高く、本水路に引き続きその復旧と、同時に高まる水への需要に応えるため拡張も併せて行うこととした。

池の拡張過程で巨大な石が出てくるなど、予想以上に工事が難航していたが、堰もほぼ完成し、完工まであと僅かとなった。9月からは本格的な大乾期を迎えることになるが、そのときにはこの伝統溜め池”Nduwa”とキディア水路の水が、村人たちの畑を潤すことになるだろう。

伝統溜め池の拡張工事に集まってきた村人達

伝統溜め池の拡張工事に集まってきた村人達

 
完成間近の堰。幅を広げ、石積み構造に変更

完成間近の堰。幅を広げ、石積み構造に変更

 

  

伝統溜め池の拡張工事に集まってきた村人達    

完成間近の堰。幅を広げ、石積み構造に変更

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