今年のタンザニアは、本当に久しぶりに順調な降雨に恵まれている。現地では11月~12月が小雨期だが、好調な降雨にささえられ、タンザニア各地で支援している苗畑グループでも、一斉に育苗活動が始まっている。昨年度の育苗実績は、過去18年間で最大となる25万8千本(3州10グループの合計)だったが、今年度はそれをさらに上回る31万2千本の育苗を目指している(支援苗畑グループは1カ所増えて計15グループ)。
その育苗活動がどのように取り組まれているのか、各地の苗畑グループの様子から見てみよう。育苗活動は、まず1年間使った育苗所をきれいに整地しなおすことから始まる(写真1。キリマンジャロ州キランガ女性グループ)。樹種によっては幼苗採取のため、種子をシードベッド(苗床)に直播きするので、そのための苗床の造成作業も行う。
つぎに、育苗ポットに詰めるための腐葉土と堆肥を搬入(写真2。キリマンジャロ州TEACA本部苗畑)。育苗規模にもよるが、写真のような軽トラックで2~4台、規模の大きい苗畑では10台分以上(!)の搬入が必要となる。搬入した腐葉土と堆肥はすべて篩(ふるい)にかけ、それぞれ小石や枝などの異物を取り除いたうえで混合し、育苗ポットへの土詰め作業が始まる(写真3。ダルエスサラーム州マブウエパンデ苗畑)。女性グループでも5千~1万個ほどの育苗ポットへの土詰めが必要となり、これはなかなか根気のいる大変な作業だ。
その後育苗計画に沿って、ポットへの各樹種種子の植え付けが行われる。苗木が育ってくると育苗ポットには雑草も生えてくるため、毎日の灌水以外に、定期的な除草が欠かせない作業となってくる(写真4。アルーシャ州ウリショ小学校苗畑)。
各苗畑グループではこのようにして、3~9ヶ月間(樹種による)をかけて大事に苗木を育てる。そして植林直前には、最後の仕上げに苗木が乾燥に耐えるよう、硬化処理と呼ばれる無灌水期間をおいてから植林している。
〔No.27 その他の内容〕
●オピニオン: 『ダーウィンの悪夢』 という悪夢
●プロジェクトの現場から: 取り組み状況報告
●キリマンジャロ州モシ県 降雨 最新情報
●シニャンガ・レポート
-サファリ(観光)編-