森林が失われてしまった山
2月15日から開催された『キリマンジャロ植林ワークキャンプ』が昨日終了し、参加者26名元気に帰国しました。
このワークキャンプは、キリマンジャロ山麓で村人たちが取り組んでいる植林作業に私たちも参加するものですが、ブッシュ・雑草等の刈り払い、地拵え作業など、荒れ地に苗木を植えられるようにするまでの 作業に、日程のほとんどが費やされます。日本からの参加者はみんな、一度失われた森林を回復することの困難さ、そしてその取り組みを20年近くも続けてきた村人たちの努力の重さを、自分たちの体を通して知ることになります。
今回の植林地は森林を失った後ブッシュが繁茂し、その刈り払いがかなりきついものでしたが、私たちも含め、植林作業に参加した村人は総勢600名を超えました。苗木の植え付け、灌水作業には多くの子供たちもやってきて、1本でも多くの苗木が根付くよう祈りつつ、ともに植林作業に汗を流しました。こうして今回植えられた苗木は、3樹種合計986本でした。
キリマンジャロ山の村人による植林作業
村は東アフリカを襲っている干魃の影響でカラカラの状態で、私たちが村に滞在中に使う給水パイプラインの水も度々断水するような状況でした。ワークキャンプ最後に立ち寄ったナイロビ国立公園では、干魃で死んだ動物たちの死骸があちこちに転がっており、今回の干魃被害の厳しさを目の当たりにすることになりました。“水は命”の言葉を噛みしめると共に、その水を守り、もたらす“森”の重要さを、あらためて思い知るワークキャンプであったともいえます。
現地ではワークキャンプ後半に入り雨(=豪雨)が降り始め、カラカラだった大地には恵みの雨ではあるのでしょうが、その降り方が半端ではなく、タンザニア、ケニアではすでに被害が出始めています(ダルエスサラームとモシを結ぶ幹線道路は橋が押し流され、今日現在不通となっている)。
干魃のあとは今度は豪雨による被害。現地のおかれた厳しい自然環境を、参加者全員が肌を通して実感したことだろうと思います。そしてその自然環境は、私たち人間の行為によって厳しさと極端さの度合いを増しています。私たちの取り組みはそうした自然の変化に対して、ほんの針の先ほどのものでしかないかも知れませんが、これからも村人たちの自主性を重んじつつ、長く腰を据えて取り組んでいこうと決意を新たにしてきました。