辞書プロ: 辞書プロの取り組みと現地の教育事情

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国内活動/イベント


ポレポレクラブのメンバーがタンザニアの村人たちと取り組んでいる、協力活動。その一つに「教育支援」の取り組みがある(通称“辞書プロ”)。

日本では授業といえば、小学校から大学まで、普通は日本語で行われる。教科書も英語教科でなければ日本語で記述されているのが普通である。ところがタンザニアでは、小学校では現地の国語であるスワヒリ語で授業がされ、教科書もスワヒリ語なのに対し、中学校になった途端、先生が使う言葉も教科書もすべて英語になってしまう。

最近でこそ現地では小学校から英語の授業がされるようになったとはいえ、満足に教科書も筆記用具もなく、それを教える先生の質にも問題がある中、いったいどうして中学校で授業が理解できるほどの、英語力を身につけることが出来るだろうか?

教育支援の取り組みは、タンザニアのこうした教育制度上の問題に対して、メンバーが何か出来ることはないかと考えたことから始まった。

現地小学校(オリモ小学校)の先生方と協力しながら、この活動に取り組みはじめて3年。ときに取り組みの根幹が全部ひっくり返るほどの議論や、様々な紆余曲折を経て、各学年のレベルに合わせた3種類の「英語→スワヒリ語辞書」と、英語の「手作り絵本」/「ワードブック」/「ソングブック」を組み合わせた支援に取り組むこととなった。小学校ではそれらを授業の中で活用し、また貸出し可能な図書として、子供たちが自由に利用できる管理、運用方法をとっていくことにした。

この取り組みは日本の高校などでも授業で取り上げてくれ、手作り絵本の制作では、生徒さんたちの力作約50冊も完成した。そしてこの2月、メンバーや様々な人々の手によって作られた絵本、ワードブックなどが、辞書と共にタンザニアの小学校に渡った。

買って渡すだけならすぐにでも出来たこの取り組みを、これまでの3年間、たった1冊の辞書も渡すことなく、辛抱強く、自分たちの取り組みを見つめ直しながら進めてきたことに、事務局としても敬意をはらいたいと思っている。オリモ小学校の先生方にとっても、教育制度の問題点は分かっていても、それに対して何をしたら?という部分では、本当にとまどいが多かった。お互いの考えや方向性が多少しっくりするだけですら、これくらいの月日は必要だったろう。

さて、この取り組みは「辞書」や「絵本」をおくることが目的なわけではない。そのことによってどんな効果や成果が得られるのか、あるいは得られないのか。そのことこそが大切である。今後、この取り組みによる変化(効果、成果)をモニタリングし、評価していくことになる。ではそのモニタリング方法とは?評価すべき項目や判断材料となる指標は何か?なかなかに難しい課題である。

何をもってどのようにモニタリングし、評価していくのか。昨日集まった教育支援グループメンバーのミーティングで、それらをこれから半年間かけて詰めていくことになった。これからの展開にもまた期待している。

 

◆タンザニア・ポレポレクラブでは、メンバーが自分たちで現地の村人との協力活動などに取り組んでいます。これらの活動には、どなたでもご参加いただけます。興味のある方は、以下をご覧下さい。また、参加してみたい方はお気軽に事務局までご連絡ください。

 メンバー現地協力活動 → こちら など

 ポレポレ菜園活動 → こちら

 今後の活動予定 → こちら

 事務局連絡先:
  〒154-0016 東京都世田谷区弦巻1-28-15サンライトハイツ301号室
  E-mail : pole2club@gmail.com

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