インドネシアのスマトラ島沖で26日に発生した大地震による、津波被害の情報が、まさに激震となって伝わっている。
28日未明現在での津波被害の状況は、インド洋沿岸の10カ国で死者2万3700人に達するという。ものの数時間の間に、その数字の異常な増え方に恐ろしくなる。まだ行方不明者が5千人以上もいるというから、最終的には死者約3万人近くになる可能性がある。地震による津波被害としては、1896(明治29)年の明治三陸地震(約2万2000人死亡)を上回り、史上最悪の惨事らしい。
そしてこの津波による被害は、インド洋を挟み、遠く約6000キロの彼方、東アフリカにまで及んでいる。現在分かっているだけでソマリアで約60人、ケニアで1人の死者が出ている。
タンザニアでの被害状況が気になり、現地に問い合わせてみたところ、26日朝、やはり津波が到達したらしい。しかしインド洋に面するダルエスサラームのオイスターベイビーチあたりでは、海岸にはいつものように屋台がたくさん出て、着飾った子供たちが遊んでいたりして、いたって平和な雰囲気だという。現地の新聞でも何も報じられていないらしい。
同じく東海岸のバガモヨもとくに何事もなく、インド洋の沖合に浮かぶザンジバル島でも 、海の水位が上がったことはあったようであるが、被害になるようなことはなかったようだ。
一方、在タンザニア日本大使館筋の情報では、ダルエスサラームでは、Slipway、Kigamboni、Oysterbayなどで、子供が波にさらわれ、12人死んだという情報もある。
現地でもまだ情報がきちんと整理されていないようで、正確な状況把握にはもう少し時間を要しそうであるが、インド洋沿岸の各国で報じられているような激甚な被害が出たという状況ではなさそうで、少しだけ安堵した。
今年は本当に最後の最後まで自然災害のニュースが絶えない年であった。来年が災い転じて福となる年となってくれることを、心より願う。