前回の事務局日誌で、タンザニアでは今年、昨年と大雨期の雨量が十分ではなかったことをお伝えした。西アフリカでは今年はバッタが大発生しているし、アメリカでもフロリダに大規模なハリケーンが上陸している。天災は国の別を問わずに発生する。
ここ数年、タンザニアに行く際にはインド(ムンバイ)経由で行くことが多い。行きも帰りも、乗り継ぎ便待ちでムンバイで1泊することになる。日本からアフリカ、タンザニアにいきなり到着してしまうより、日本→インド→タンザニアの各国による違いや変化、或いは同じアジアである日本とインド、そしてアフリカのタンザニアとの対比ができて、とても興味深く、また勉強になる。
今回は現地から帰ってきた9月初旬にいきなり連続して地震があり、日本が地震国であることを思い出した。事務所のある東京では大したことはなかったが、近畿地方では震度5弱だったからかなり大きかったといえる。日本を発ってインド、タンザニアと移動して気付くことに、建築物の柱や梁の太さの違いがある。インドも地震国であるが、日本から出てきた身から見ると、建設途中のビルや高速道路などの柱や橋脚が何とも心細く映る。それが地震国ではないタンザニアに行くと、もう心細いを通り越して、そこに建っていることすら不思議に思えてくる。一見立派な建物ですら、建設途中から見ているとヒョロヒョロの鉛筆のような柱の上に床を何層も重ねて建てているから、恐ろしい気分になってくる(もっともそういう“立派な”建物にはあまり縁がないからいいんですが)。
そんなタンザニアでも、過去一度だけ地震にあったことがある。キリマンジャロの村にいるとき、グラリグラリと山が揺れだして、初めは何かと思ったが「おおっキリマンジャロが揺れている~!!」と村人と顔を見合わせた。震度3くらいだったと思うが、いかにも大きなキリマンジャロ山が揺れているといった感じのゆるゆるとした揺れであったことを今でも覚えている。
日本では、台風、地震の次は今度は噴火である。最近の天災はどうも忘れなくてもやってくるらしい。備えあれば憂い無しとは言い古された言い方ではあるが、キリマンジャロの村人たちも天候に左右されやすい主食のメイズ(白トウモロコシ)以外に、味は良くないが、旱魃に強い芋の栽培を決してやめようとはしない。いざという時のリスクに常日頃から備えている彼らにいつも感心する。阪神大震災の時の日本を思い出す。備えあれば憂い無し、である。