手工芸品(バナナカード)の取り組み(4)

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国内活動/イベント

観光客の訪れる町を身近に控えた村の村人が、手工芸品製作の技術を身につけることは、確かに収入向上などの機会への道を開くものだろう。しかしバナナカードだけをとらえるなら、それだけで就業機会や収入向上に大きく貢献させようというには無理がある。同じ村人(女性グループ)とメンバーの協力活動であるカンガバックの取り組みほど技術汎用性が高くないからである。

カンガバック自体は現地ではほとんど需要はないが、縫製技術そのものは普段の衣類や学校の制服作りなど、現地においても高い汎用性をもっており、またそれらの需要は日常的に発生している。ミシン1台あれば、町で1人ででも商売に繋げていける可能性が高いのである。従ってカンガバックの取り組みは、国内的には「手工芸品」の取り組みでも、現地においては「縫製技術の指導」をその主眼と位置付けた取り組みである。

これに比べると、いまのところバナナ樹皮の加工技術は、現地での日常的な需要とは切り離された、あくまでも観光客相手の商売にしか使うことが出来ない。カンガバックの取り組みに比べると、雇用機会の間口の広さという点では、どうしても限られる。従ってこれをより広範な雇用機会に結びつけていくためには、将来の商品バラエティの展開を睨んで、今から現地の日常的な需要に結びついていくような、高い技術汎用性を持った手工芸品を意識的に探っていく視点が必要であろう。

・・・・・・・第5回に続く

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