アフリカの最高峰キリマンジャロ山(標高5,895m)。キリマンジャロ山では地球温暖化の影響ともいわれる山頂氷河の消失が続いていますが、氷河ばかりでなく、多くの森林が失われています。
タンザニア・ポレポレクラブは1997年の設立以来20年以上にわたって、キリマンジャロ山に暮らす村人たちとともに森林回復のための植林に取り組んでいます。
アフリカ大陸の最高峰キリマンジャロは、世界遺産にも登録された人類の宝ともいえる山です。しかしその山では、この100年間に約3割もの森林が失われてしまいました。
森を失ったキリマンジャロの山裾
森林の減少は貴重な自然の劣化だけでなく、森林資源の不足、水源の枯渇、土壌荒廃や作物の生産性低下などを招き、そこに暮らしている村人たちの生活に暗い影を落としています。私たちが取り組んでいる植林は、失われた森林の再生であるとともに、村人たちの命と生活を守るための植林でもあります。
森を失った尾根では作物を育てることができず、村人たちは土を切り出して作った日干しレンガで生計を立てるしかなくなっています。
植林に使われる苗木は、森林に沿う村々に設置した苗畑で村人たちによって育てられています。育苗数は苗畑の規模によって数百本から数千本、最大で約1万本。育てる樹種は標高や土壌条件、利用方法などによって様々で、毎年村人たちと相談して決めています。主力樹種はCroton Macrostachys/Megalocarpus(トウダイグサ科)、Grevillea Robusta(ヤマモガシ科)、Macaranga Kilimandscharica(トウダイグサ科)、Pinus Patula(マツ科)など。
キリマンジャロ山の村で育てられている苗木
苗木の世話をする村の子どもたち
植林は毎年4月から6月にかけての大雨季、キリマンジャロ山の裸地化した尾根で多くの村人たちによって取り組まれます。こうしてこれまでの20年間に約50万本の苗木が植えられました。
村人たちによる植林の様子
よみがえった森では村人たちが日々の生活に必要な薪などが得られるようになったほか、少しずつ水量が回復し、動物たちも戻りはじめています。 一方、キリマンジャロ山にはまだ多くの裸地が残されており、豊かな森林の再生を目指して、村人たちによる地道な植林の取り組みはこれからも続きます。
植林によってキリマンジャロによみがえった森