1. 設立背景と組織目的、理念
設立の背景
地球規模で進む環境の荒廃、劣化に対して人類が警鐘を鳴らしてすでに久しい。砂漠化が進むアフリカにおいても、タンザニアは高い人口増加率も相まって、ナイジェリアに次ぐ2番目の森林消失国(面積)となっています。同国では1990年からのわずか25年の間に約2割の森林が失われましたが、これは毎年東京都の面積の2倍、約40万ヘクタールの森林が失われていることを意味しています。
こうした森林減少の影響は、降雨の減少や水源の枯渇など人々を取り巻く気候・環境の変化となって現れており、土地荒廃や農業生産性の低下、森林資源の不足となって人々の生活を脅かしています。
タンザニアにおける森林減少の大きな要因として、高い人口増加率を背景とした薪炭材需要の増大など、人々による森林資源の消費が挙げられています。しかしその一方で、同国ではこのような環境の荒廃を少しでも食い止め、さらには回復させていこうと多くの草の根レベルでの取り組みがされています。
現地で進む環境劣化に「息長く」立ち向かっていくためには、そこに暮らす人々自身の手による「持続的な」環境保全活動の実現が欠かせません。
また成果が現れるまで息の長い、地道な取り組みが必要とされる環境分野の活動では、それに取り組む地域住民自身の生活余力を生み出し、さらに安心して取り組んでいくための社会環境の実現が、同時に図られなければなりません。「自然を守る」ことと「人々の生活を守る」ことは切り離すことのできない車の両輪だからです。
当会はこのような認識に基づき、以下の目的を掲げて1997年に設立されました。
組織目的
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- タンザニアの草の根の人々と協力し、人々が環境の荒廃を招くことなく、平和に安心して暮らしていける社会を実現する
- 地域住民レベルにおける自主・自発的、持続的な環境保全活動を実現する
- この目的のために 「環境保全」「自立支援」「生活向上」 の3分野を柱とした活動に取り組む
- 日本における私たち自身のあり方を見つめ直し、身近な行動から世界の課題解決に繋げていくための活動に取り組む
活動の理念:“共に育つ”、 “Slowly but Surely”
どんな活動も目的の実現に向けて息長く、持続的に取り組まれることの重要性は論を待ちません。そのためには活動に取り組む人々が力をつけていくことが何よりも大切です。また私たち自身が彼らに学び、問題や課題解決のための能力を高めていく必要があります。
時間をかけて地域の人々と向き合い、彼らの声に耳を澄ませ、ともに考え、力をつけ、挑戦し、乗り越えていく。
“ゆっくり、ゆっくり、でも確実に”。それがタンザニア・ポレポレクラブの活動理念であり、ともに力を合わせている地域住民との合い言葉です。
タンザニア・ポレポレクラブの名称はこの理念に基づき、現地で話されているスワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり、でも確実に」を意味する“polepole lakini kwa hakika”に由来してつけられました。
2. 事業内容
海外(タンザニア)
環境保全 |
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生活改善 |
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自立支援 | 裁縫教室事業 |
その他 |
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国内
チーム活動 | 手工芸品活動(キリマンジャロの女性グループとの協力活動) |
国際理解 |
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情報発信 |
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その他 |
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