事務局日誌: 事務局で野菜栽培!?

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二十日大根の収穫中

二十日大根の収穫中

左と右が発酵液を使用。中央が未使用

左と右が発酵液を使用。中央が未使用


事務局で野菜栽培をしていると言ったら、きっと皆さん驚かれるだろう。収穫すればもちろん事務局の皆でありがたく戴くが、収穫だけが目的ではない。

以前の事務局日誌でもご報告したことがあるが、タンザニアの村人たちにとって良質な肥料の確保は切実な問題である。彼らの主食穀物であるいメイズ(白トウモロコシ)も、肥料なしには十分な収量は望めない。ところが構造調整後、肥料に対する補助金はカットされ、化学肥料は農民にとって高嶺の花になってしまった。低地の半乾燥地では天水に頼る不安定さもあって、施肥を全くしない農民も多い。その一方で、一部の農民は仕方なく化学肥料を買っている。貧しい彼らが、なけなしのお金を使って金肥(=化学肥料)を購入せざるを得ない姿は、何とも切ない。

自分たちで作れる良質な肥料はないものか?そこで現地でも簡単に入手できる材料(雑草、牛乳、果物の皮、地酒など)を使って有用菌を培養し、嫌気発酵による肥料作りが出来ないかを国内の菜園活動で取り組んでいる。ただ菜園には毎日通うわけにもいかず、事務局でも併行してミニチュアバージョンを試みている。それが先の事務局で野菜栽培の種明かしである。

栽培していたのは二十日大根。有用菌による発酵液を使用したものと使用しないものでの、有意差の確認をしてみようというものであった。発芽の段階では想像以上の差が出て、30~40%程度の発芽率の差が出た。また初期成長にも大きな差が見られた。しかし間引き後に数量が同程度になった後の生育段階では、日射量の差なども影響したのか、ほとんど差が見られないか、もしくは発酵液未使用のものの方が、大きく生長しているようにも見えた。

そして十分に育ったものを収穫し、事務局のみんなで試食してみた。大きさにはほとんど差がなかったが、味には明確な差があり、全員の一致した意見として発酵液使用のものが美味しいとの結論であった。

この7月には菜園で、発酵液を使用したジャガイモと豆の収穫が待っている。その結果が楽しみである。また事務所でも、根菜類から今度は葉ものの栽培に切り替えて実験を続ける予定である。

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