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写真1: モシのラウンドアバウトにあるアスカリ・モニュメント
タンザニアを訪れた方、とくにダルエスサラームを訪れたことのある方なら、きっと「アスカリ・モニュメント」をご存じだろう。「アスカリ」とはスワヒリ語で「兵士」の意味。つまり戦争で亡くなった兵士の慰霊碑のことである。
このアスカリ・モニュメントが、タンザニアにはあちこちにある。その多くは街の中心地、ラウンドアバウトと呼ばれる比較的大きな交差点の中心に立てられている。先のダルエスサラームの慰霊碑は、第一次世界大戦で当時の宗主国であったイギリス側の兵士(植民地軍)として、ドイツとの戦いに参戦させられた兵士たちを慰霊するためのものだ。
タンザニア北部の都市アルーシャには、ウガンダとの戦争で亡くなった兵士を慰霊するためのアスカリ・モニュメントが立てられている。
一方、キリマンジャロ山のお膝元モシの街にも、慰霊碑ではないが「タンザニア軍兵士の碑」が、やはりラウンドアバウトに立っている。(写真1)
兵士を鼓舞し、国威を発揚する文言でも刻まれているのかと思いきや、そこに書かれているのは”Maji ni uhai”(写真2)。その意味は横に英語で”Water for Life”と書かれているとおり、「水は命」である。
この何とも言えないアンバランス・・・。
写真2: 兵士の足元にはMaji ni Uhai(水は命)の文字が
国の安全を守る彼らを称えるこの碑は、ある意味、この国が平和であることの象徴として立てられているのかも知れない。しかし私などは、その踏みしめる足元に相応しい文言として、何の躊躇もなく”Maji ni uhai”を添えられるところに、この国の平和の奥深さを見るような気がする。
どうしてどうして、なかなか出来ることではない。