Rafikiプロジェクト:村人との座談会実施(’13/5-1)

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海外活動その他

 

今回は、前回お伝えした「森を守りたい、守っていこうという気持ちが重要である」という点を、村人と議論をするために開催した座談会についてご報告させていただきます。

 

前回のご報告のスケジュールの中で

 2月22日(金): 村人との座談会(第1回)・・・取り組みの認識共有等

 2月28日(木): 座談会 (第2回)

がそれにあたります。

 

1. 座談会の目的

「森を守ろうという気持ちや意思が大切である」という目的・理念を議論・共有することは、現在の日本人が中心になって行われているRafiki Projectを、真に「日本の市民と村人との活動」にするための一環であると考え行ってきました。前回述べたように、村人に活動に関わってもらうためにも、まずは知ってもらう、特に理念などの根幹の部分を共有することが最も重要であると考えております。

そのため、「森を守るためには、その気持ちの重要性」を確認し、村全体で一致した取り組みにすることが1つの大きな原動力になると考えています。つまりは、たとえ取り組みは各個人やグループでバラバラであっても、お互いに理念を共有して行う活動は村全体への波及力が高く、また、全員一致の取り組みには大きな力を持つだろうという考え方です。

この座談会では、村長や助役、各村区長(村区とは村の1つ下の行政単位)、教会の委員会、学校の委員会、村を流れる各水路の長老、活発に活動している女性グループ、中学校の先生という村のキーパーソンに集まってもらい、理念を共有した上でRafiki Projectのような「森を守りたい、守っていこうという気持ちを支え、それを長く継続していく」活動を一緒に行うことを意図しています。また、村の「長老」とも言うべきお年寄りにもアドバイザー的な位置づけで集まってもらいました。もし、彼らが理念に基づき様々な活動を行えば、自然に村全体に理念や活動が広がっていくと考え、参加していただきました。

 

座談会の様子

座談会の様子

 

2. 座談会(1日目)

さて、実際の座談会のスケジュールについてですが、このような理念に関わる部分の議論は1日で終わるほど簡単ではないと考えたことに加え、可能であれば、1日目に理念を共有できたならば、2日目までに、そのためには「どうのようなことができそうか」ということを議論し、少しでも実際の村での動きにつなげようということから2日に分け実施しました。

 

1日目のスケジュールは以下の通りとなっています。

 第1段階: なぜ植林活動など、森を守ろうとしてきたのかを聞かせてもらう。

 第2段階: その実績としてテマ村周辺の森の豊かさのデータを示し説明

 第3段階:「森を守る気持ち・心が大事」という点を議論・共有

 第4段階: その「気持ち」を守るために作っている我々のツールに対して意見や感想をもらう

 

まず、1段階目で聞いたテマ村の人たちが植林を行ってきた動機を聞き、その後、2段階目でその植林活動が実際にデータとして現れるほどに効果を上げている点をこちらから示すのが導入部分でした。そして、3段階目の「なぜ、テマ村だけが、これほどまでに成果を上げられたのか」の議論につなげるために設定しました。この議論の答えは1つの正解があるとは考えておりません。例えば、「植林活動を行ってきたから」「森は生活に欠かせないため大事だと思っているから」など様々な意見が想定されます。ただ、そうした活動はキリマンジャロ全体にあり、また、森が生活に欠かせないのは他の地域も変わらないはずです。では、「なぜテマ村だけが成功したのか?」という議論の中で我々の意見として「気持ち」が違ったのだ、という点に繋げるつもりでした。実際に、参加者の議論からは、教育であったり、伝統であったり、こちらの考えている「気持ち」に関連するものもいくつか出て、その後に示した我々の考えである「気持ちが違ったのだ」「この気持ちが森を守っていくために、今後も重要なのだ」との意見にもある程度の同意を得ることができました。

一方で、開始時間が大幅に遅れてしまったこと、予想以上にこちらの説明や議論に時間がかかってしまったことなどから、それ以降の部分がかなり駆け足になってしまいました。また、「気持ちが大事」に対する同意も得られたと書きましたが、時間がない中で何人かから同意の発言を得られただけであり、一人一人にしっかり確認をとっていったわけではありません。そのため、「比較的発言が少ない参加者がどう思っているのか」といったことに加え、「そうだ」といってくれた参加者も、あくまで会話の流れの中での発言である可能性もあるのではと考えざるを得ませんでした。

どこまでしっかりと同意をもらえたのか、参加者全体でもらえたのか、といったことに対して若干の不安が残ってしまう状態でした。

 

座談会の様子

座談会の様子

 

3. 座談会(2日目)

渡航前には、2日目の座談会では全ての時間をとって「気持ちを支えるために村全体で何を行えるか」を議論していくつもりでした。

しかし、前述のように理念をどこまで共有できたのかが不確かであったため、2日目の前半で前日の議論を再び確認しなおし、どこまで同意をもらえているのかを確認する時間を大幅に確保し、同時に後半駆け足になった我々の現在の取り組みに意見をもらうことをまず行い、余った時間で「気持ちを守るためには村で何ができそうか」という点について話し合うことにいたしました。

 

2日目の予定

 第1段階:「森を守る気持ちの重要性」の確認・議論

 第2段階: 我々のツールに対して意見や感想をもらう

 第3段階:「気持ちを守るためには村で何ができそうか」を議論

 

このように設定した2日目の座談会なのですが、村役場において緊急の会合が入ったため、村長、助役と各村区長がこの2日目に出席できないこととなってしまいました。彼らが出席できない中ではありましたが、「森を守りたい、守ろうとする気持ちが大事」であり、それを維持・強化していく活動の重要性は他の出席者とはしっかりと確認ができ共有できたと考えています。また、我々の行っている取り組みとそのツールに対しても、その文脈の中で、高い評価が得られました。 さらに、第3段階の「森を守るための気持ちを支える村全体で行う取り組み」に関する議論でも様々な案が出され、最終的に「村の森に関わる自慢を集めた展覧会を各団体(各水路、学校、教会、女性グループ)で行うことで、村全体で森を守る気持ちを高めていこう」という点にまでたどり着き、それ来年に行うことを確認し座談会を終了いたしました。

ただ、「来年」・「展覧会」という2点が決まっただけで、その具体的な実施スケジュールや内容等はまだ提案ベースで議論をしただけであります。そのため、具体性に欠けている点と、村長・助役・各村区長が欠席しており、彼らが我々の意図をどこまで把握してくれているのかという点も課題としてあげられます。ともに今後フォローアップを行っていくべき状況であります。今後の見通しは、現在行っている一連の渡航報告の最後で他の活動とあわせてご報告させていただきます。

 

次回は、

 2月20日(水): 村役場・・・森林利用調査結果報告

 2月21日(木): Fumvuhu小学校&Foyeni小学校・・・カルタプレイ実施

の2つの日程のご報告をさせていただきたいと考えています。

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