Rafikiプロジェクト:2013年7-8月現地渡航調査報告①(’13/9)

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海外活動その他

Rafiki Projectは7月24日~8月9日にかけて、現地渡航調査を行いました。2回に分けてその結果をご報告します。第1回目は、「森に名前を付ける」ことを提案するために行った個別ミーティングと座談会についてです。

 

渡航の目的

① 森を守りたいという強い動機を村全体のムーヴメントに広げるため、「森に名前をつける」ことを提案する。

② Rafikiプロジェクトの取り組みの理念(森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である)をより多くの人に知ってもらう。

 

各実施事項の結果

各グループとの個別ミーティングと座談会

今回の渡航では目的①に向け、より多くの村の方々と森を守っていくための村全体のムーヴメントを展開していくために今まであまり接点のなかった人々ともお話をする機会を設定して頂き、「森に名前をつける」という提案を行ないました。この提案に対して強い同意と納得がない限り、村人自身の活動・ムーヴメントにはつながらないため集まって頂く方々への丁寧な説明と対話が必要と考え、まず各グループを個別に訪問しミーティングを行いました。その上で座談会という場に全グループが集まって頂き、議論して頂くことにしました。

 

<個別ミーティングを行ったグループ>

 ① Faraja(村の伝統料理や薬草の使い方伝える活動をしている女性グループ、14名)

 ② 森に関する知識が豊富なお年寄りグループ(8名) 

 ③ 3水路のリーダーと書記(5名。1水路欠席)

 ④ Olimo小学校の先生と教育委員会(6名)

 ⑤ 村長、助役、4村区の村区長(6名。1村区欠席)

 ⑥ 4教会の牧師、教会委員会(12名。1教会欠席)

 

<個別ミーティングの流れ>

以下の流れでミーティングを行いました。

 (1) 何故テマ村の人々が森林保護に関心が高く、その取り組みを長い間続けているか理由を聞く。

 (2) 1976年と2000年のキリマンジャロ山全体およびテマ村周辺の森の衛星写真と森林利用調査ポスターを使い、人々の植林活動の成果を提示。

 (3) テマ村の森に名前を付けることを提案。

 ・人々によって守られ豊かである森は名前を付ける価値があるほど特別なものである、と説明。

 ・各グループ内で座談会までに①名前②その理由③範囲について話し合ってもらうよう依頼。

 (4) 日本の事例紹介として、全国ご当地ゆるキャラの紹介。

・名前を付けることと同じく、世代を超えて地域への愛着が深まり、外部へのアピールにもなる、と説明。

 

個別ミーティングにて衛星写真を用いて説明する様子

個別ミーティングにて衛星写真を用いて説明する様子

 

<結果>

(1) の森を守ってきた理由については、それぞれのグループで「森は雨をもたらし、そのおかげで薪や家畜の餌を得、自分たちの生活を支えてくれるから」、「50年以上もずっと昔から守ってきたから」といった答えが多く出されました。また (2) の衛星写真と森林利用調査のポスターを提示したことで、多くの人が「自分たちの森は他と比べて守られており、それは自分たちが長い間木を植えてきた成果であるから、自分たちの森は特別である」ということに納得して下さり、(3) の自分たちの森に名前を付けるという提案にもほとんどの方が賛同して下さいました。(4) の日本の事例紹介を受けて「自分たちも森を一生懸命守っていることを外部に向けアピールしていこう」といった反応がありました。

 

<座談会の流れ>

参加者30名

 (1) 衛星写真を用いて「テマ村の森は守られている特別な森」という事実を全体の場で再度共有。

 (2) 各グループで考えてきて頂いた名前と森の範囲を披露してもらう。

 (3) 出された候補名をどのように村全体で決めていくかを議論する。

 

各グループで話し合ってきてもらった森の名前の案としては、「テマ(の森)」という案が多かったのですが、「特定の地名を森の名前に付けることは、これから他の多くの村と協力して森を守っていくときに支障が出るのではないか。」また、「テマ村が森を所有しているのかという様に思われるのではないか。」といった意見が出されました。最終的には、特定の地名ではない「Hekima(知恵の森)」という名前が選出されました。今回の座談会では、自分たちの森に名前を付けるということに対し、村の人々が真剣に自分たちの事としてそれを捉え、白熱した議論が行われました。一方で、座談会は村の一部の人のみでの議論だったため今後、村の意思決定プロセスにおいて「森に名前をつけること」と「Hekima」という森の名前の一案をほかの村人がその理由・経緯と合わせて説明されることが重要になってきます。その上で村の最高意思決定機関であり全ての村民が出席する村会議にかけるということで決定しました。今後の経過についてはTEACAと連絡を取り合い、フォローして参ります。また、将来正式に村の総意で森に名前を付けることが決定した場合、名前をどう村全体に広げていくか、名前をどのような活動につなげていくか現地の皆さんと共に考えていくことが今後の検討課題です。

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