「このままでは、私たちの村はダメになってしまう」。
村の回りの尾根からだんだんと消えていく森林。降らなくなった雨。このまま放置すれば、遠からず自分たちの村も森を失ってしまうだろう。そうなる前に、何とかしなければ・・・。
村にあるすべての裸地を、かつてのような森に戻そう――。キリマンジャロ山麓において、TEACAとテマ村の村人たちが植林に立ち上がってから、すでに18年の歳月が流れようとしている。小学校の片隅でわずか800本の苗木を育てることから始まった彼らの取り組みは、その後最大時には12万本もの苗木を育てるまでになった。
森林を失い、厳しい日射と激しい雨に晒されて表土を失った山麓斜面では、植えた苗木のすべてが根付くわけではない。枯れては植え、また枯れては植えなおしの繰り返しであった。しかし村人たちは決して諦めることなく、毎年、毎年、地道に苗木を植え続けてきた。そしてこれまでに、テマ村周辺で植えられた苗木は、実に22万本を超える。
すべての裸地がかつてのような森に戻るには、あと20年は必要だろう。しかし彼らの歩いた足跡には、確実に森が蘇りつつある。
・植林地名: ムレマ(Plot H,I,J)
・面 積 : 1ヘクタール
・植林樹種: Grevillea robusta/Pinus patula
・植林本数: 1,600本
〔No.23 その他の内容〕
●オピニオン: 背水の陣
●特集 ~TEACA18年の植林活動の軌跡~
●最前線の現場から: “郷に入っては郷に従え”
何が取り組まれているのか。土地利用者植林にみる村落植林活動の取り組み
●プロジェクトの現場から
●TEACA活動日誌
●TEACAリーダーに聞く! 私がMr.モシさんです!!
●連載コラム第8回: 『亡己利他の時代』