タンザニアでは3月中旬から6月初旬にかけての大雨季シーズンが終わりましたが、現地からは大雨季の取り組まれた植林の情報が続々と届いています。 キリマンジャロ山では、自然保護(森林保全)を目的とした国立公園の拡大と、地域住民の生活を無視したそうした強制的な手法との相克が未だに続いています。(写真1)
(写真1) 国立公園での植林に集まってきた村人たち
私たちは現地カウンターパートTEACA(Tanzania Environmetanl Action Associaition)とともに、この問題の解決に向け、キリマンジャロ山における新たな森林保全・管理の仕組み作りに取り組んでいます。2011年以来、今回の大雨季植林で3回目となる国立公園内での「地域主導植林」も、この新たな森林保全・管理の仕組み作りに向けた取り組みの一環であり、現地でもっとも力を入れている取り組みの一つです。
当初は国立公園に取り込まれた旧バッファゾーン(地域住民による資源利用が許されていた緩衝帯)の完全掌握を目指していたキリマンジャロ国立公園公社(KINAPA)に様々な圧力や横やりを入れられましたが、現在では、州知事も地域と住民たちの実力を認めるところとなり、今年大雨季の地域主導植林に自ら出向いてきました(写真2)。
(写真2)中央で立って話しているのが、レオニダス・ガマ、キリマンジャロ州知事
もっとも、行政による地域への評価は、地域を都合の良い手足と考える懸念もあり、手放しで喜んでばかりはいられないのですが、それでも私たちが地域の人々と共に目指している「地域主導によるキリマンジャロ山の森林保全・管理」へと向けて、着実に前進しています。そして今年度には、36の村々をつないだ、共通の森林利用・管理のルール作りに着手する計画です。ルール作りはそう簡単なことではないと考えていますが、1年程度をかけて、じっくりと練り上げていきたいと考えています。