ハリナシバチの逃亡相次ぐ

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海外活動養蜂

当会はタンザニアで養蜂事業を実施しているが、飼っているハチにはミツバチ(アフリカミツバチ、Apis mellifera monticola)とハリナシバチ(Trigona/Meliponula spp)の2種類がある。現地のミツバチが環境の変化に極めてナイーブで、すぐに巣を放棄して逃亡してしまうのに対して、ハリナシバチは定住性が高く、安定した養蜂が可能である。

Ndidiの木をくり抜いて伝統養蜂筒を作っているところ

Ndidiの木をくり抜いて伝統養蜂筒を作っているところ

くり抜かれたNdidiの木

くり抜かれたNdidiの木


ところがこのハリナシバチに、昨年から異変が起きている。次々と巣を捨て、逃げ出しているのである。私たちの事業地ではボックス型の改良養蜂箱からの逃亡が中心であるが、村人たちが使っている丸太をくり抜いた養蜂筒からも逃げ出している。

原因については、事業地であるキリマンジャロ山麓では昨年気温が低かったこと、2年続きで降雨が少なく(一昨年は山麓低地は干魃)、花が不足したことなどが挙げられている。また調べてみると、養蜂箱/筒の材質に、地元で”サイプレス”と呼ばれているヒノキ科の木(Cupressus Lusitanica、グレタドアマリロ)を使ったものからの逃亡が多いことも分かってきた。もっともこの木は従来から使われており、これまで問題もなく、またミツの収穫も出来ていたことから、材質だけが原因とは考えにくい。

低気温、降雨不足といった環境要因が重なった時に、特定材質の養蜂箱/筒での営巣に、重大な困難が生じる等といった複合要因なのかも知れない。ハリナシバチ養蜂はコンスタントに事業拡大を続ける方針であったため、詳しい原因は不明とはいえ、今後養蜂箱材質の変更を余儀なくされそうである。伝統的に養蜂用に用いられてきた樹種も存在するが、たとえば地元のチャガ語で”Ndidi”と呼ばれるモニミア科の木(Xymalos monospora、レモンウッド)などは昨今では希少性が高くなっており、容易に調達できないためである。

 

ハリナシバチ

ハリナシバチ

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