開発途上国で活動する多くのローカルNGOは財政基盤が貧弱であり、その運営は常に不安定な状況に置かれています。この点、国際機関や先進国のNGO等から支援を受けられる一部のローカルNGOはかなり幸運だと言えるでしょう。
さはさりながら、そうした支援も未来永劫受けられるものでもなく、これらのローカルNGOもいずれかの時点で自立、自活していくことを目標に、その努力を重ねていく必要があります。
当会のカウンターパートTEACA(Tanzania Environmental Action Association)にとってもそれは同様で、養蜂事業によるハチミツ販売などを通して少しでも収入に繋げていけるようにしています。しかし先進国においてさえ、新たな収入を確保する、あるいは現状の収入をさらに向上させていくというのは容易なことではなく、これが貧しい国の中でのことともなれば、なおさらの状況だといえます。同じNGOの活動維持にしても、先進国であれば会費や寄付を募るといった方法もとれますが、貧しい国ではそうもいきません。勢い海外からの支援に頼るということになります。
現在TEACAの収入を支えているのは、貸し出し用に建設したレンタルハウス(写真)になります。家賃収入であれば、ある程度まとまった収入を安定的に得られる目処が立ちます。最初の入居者が入ってから4年目になりますが、現在このレンタルハウスによる収入が、TEACAの収入の半分を占めるまでになっており、持続的安定財源の確保という点では、大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
TEACAのレンタルハウス
しかしこうした自立を目指したTEACAの様々な取り組み(ほかにも苗木販売や穀物貯蔵など)によっても、TEACAの年間の事業予算の2~3割しか賄えないのが現状です。
当会では、中期的なレベルではまだまだ外部からの資金に頼らざるを得ないと考えており、まずはその外部資金ソースの多様化を図っていくことを考えています。しかし本当に大切なのは、たんに資金の支援を得ることなのではなく、TEACAの活動を理解し、腰を据え、同じ目線でともに知恵を絞ってくれる良きパートナーだといえるでしょう。