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この1年をかけて増産体制の確立(年産1,000本)に取り組んできたキリマンジャロコーヒー新品種苗木の、村人への販売がいよいよ開始された。苗木の販売価格は1本250シリング。村人に苗木を販売する場合、一般苗木は1本50シリングなので、それに比べると結構高い値段設定になっている(ちなみに、250シリングは果樹の接ぎ木苗と同じ値段)。
増産といってもまだ1,000本レベルであり、かつて村人のコーヒーの木の更新需要が高かった頃には年産1万本以上の生産能力を保持していたので、まだまだ村の中では貴重な苗木だといえる。
すでに苗木を買いに来る村人も出始めており、今後の需要増大に備えて、3,000本、5,000本とさらに生産能力を高めていく必要があるだろう。
一方、各コーヒー農家の今年の生豆出荷は、ここ数年続いた異常気象からコーヒーの木のダメージが回復しておらず、ほとんどない状況となっている。コーヒー農家にとっては相変わらず厳しい状況が続いている。キリマンジャロ山麓に植えられているコーヒーの木は、生産者価格の低下から適切な木の更新が図られておらず、老齢化が進んでいる。それがまた生産性や品質の低下を招来する結果となっており、高い生産者価格の実現をますます困難なものとしている。こうした事態の打開のためにも、新品種の村での普及にいっそう力を入れて取り組んでいかなければならないだろう。