海外活動改良カマド
私たちはキリマンジャロ山で改良カマドを普及していますが、一番の悩みの種は熱に強い土が現場では手に入らないことです。そのため、土に牛糞、灰、塩、稲科の雑草を加えてよくこね、さらに一日寝かしたものを使っています。それでも半年に1回はメンテナンスをしてあげなくてはなりません。
私たちが設置しているのは、ケニアで普及しているエンザロタイプの改良カマドですが、このカマドには一般に熱によって強度を得やすい粘土質の土や焼成レンガ用の土などを用いています。
そしてこうした土に代わるものとして使えるのが、シロアリの蟻塚の土。蟻塚の土は水を加えると柔らかくなりますが、乾くとコンクリートのように固くなり、ツルハシでも持ってこないと砕くことができないほど強度があります。写真はその蟻塚の土を使って作った炭用のコンロ。
シロアリというと家の柱などを食い荒らすのであまりそばにいて欲しくない存在かも知れませんが、わたしたちにとって彼らの巣こそまさに垂涎の的、近くにいてくれれば苦労しないのに、とため息混じりに眺めてしまう存在なのです。