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キリマンジャロ山の急峻な尾根を縫うようにして流れる伝統水路
当会が復旧、補修支援に取り組んでいるキリマンジャロ山麓キディア村のキディア伝統水路(約3.2km)ですが、土手にカニが穴を開けてしまう部分と土砂崩れがひどい部分への導水管の埋設工事が完了しました。
埋設工事用に準備された導水管
あとは水路がつづら折りになっていて導水管設置が困難な箇所の補修と、水路取水口へのゲートおよび空気抜き用エアバルブの設置が残されています。
キリマンジャロ山に暮らすチャガ民族は山腹に網の目のように水路を張り巡らせ、彼らの農業を支えてきたことで知られています。しかし近年では若者が都市部へ流出してしまいメンテナンスができなくなるなどの理由から、こうした伝統水路もかなりの数が放棄されてしまっています。
ところが減少が続く降雨の影響から伝統水路の重要性があらためて認識されてきています。さらに今年前半は山麓の多くの村で水源が涸れてしまう事態となり、水路復旧の必要性はますます高まっています。
しかし放棄され長くメンテナンスがされてこなかった伝統水路の復旧は容易ではありません。まわりにあった木々が失われたことによる土砂崩れも、復旧を一層困難なものとしています。
キディア伝統水路の復旧工事は完了まであとわすかとなっており、なんとか10月には水を通すべく、ラストスパートをかけています。