第69号 ためされる年

第69号 ためされる年

  1. TOP
  2. 投稿
  3. 第69号 ためされる年
ニュースレター

キリマンジャロ山の村で迎える日の出

2025年の幕が開けました。新たな年を迎えられたことに感謝するとともに、この一年をどうしていこうか、どうなるだろうかと、希望と不安が入り混じった複雑な気持ちにさせられます。本当は希望だけだと良いのですが、昨今世界で起きていることを見てみると、ウクライナやガザで起きている悲劇は言うに及びませんが、世界や人類はどこに進もうとしているのだろうかと考えてしまいます。

史上最大の選挙イヤーと言われた昨年、世界人口80億人の半数近くに相当する、78の国や地域で選挙が実施されました。そして民主主義を掲げる主要先進国では、軒並み政権与党や現職が敗北を喫する結果を国民は突きつけました。1900年からの約120年間でも初めてのことといわれています。2024年に与党が政権を失ったり少数与党に転落したのは、台湾、韓国、フランス(与党連合)、イギリス、アメリカ(大統領を持つ政党という意味で)、そして日本。アフリカでも南アフリカで、かつてネルソン・マンデラ氏が率い、アパルトヘイト(人種隔離)終了後に一貫して政権を担ってきた与党アフリカ民族会議(ANC)が、1994年の民主化以来初めて、国会で過半数を割る結果となりました。年末にはドイツで連立政権が崩壊、首相が不信任となり、議会が解散され、来月総選挙が実施されることになりました。年が明けて早々、今度はもともと少数与党だったカナダでも首相が辞任。今年10月までに総選挙が行われる予定ですが、与党に勝ち目はない情勢です。

多くの国で政権が揺らぐ背景は、政治とお金、移民、自国ファースト、経済不振、右傾化等々いろいろ言われていますが、多くの国を覆ったこの潮流には、世界がこれから進む何かが潜んでいるのでしょうか。  いまの世界を新しい戦前の始まりと評した人もいます。しかしもしまだ「前」であるなら、まだ間に合うと考えることもできます。私たち自身が誤ってしまわないように、世界や人類が誤まってしまわないよう、私たち1人1人が心していかなければならないのが今年、なのかも知れません。

タンザニアでも、今年大統領、国会議員、地方議会議員を選ぶ総選挙が実施されます。キリマンジャロ山で人々の生活の森にまで一方的に拡大された国立公園の問題は、そこで行われた暴力行為なども含め、山麓住民の人権、生存権に関わる問題となっています。すぐれて政治的問題であり、選挙の結果が大きく影響してきます。政権が変わるようなことになれば、どんなことが起こるか分かりません。どんなことでも起こり得るとも言えます。一方、昨年の地方選挙で野党は大量の立候補者が資格取り消しとなり、総選挙に向けて騒動が勃発するのではないかとも思っていました。しかし最大野党は内輪の問題で分裂含みとなってしまい、勢いを感じられません。

世界の情勢同様、今年も政治と選挙に翻弄される一年となりそうです。しかし山に暮らす人々が暴力におびえ、不安を抱えた生活をしなくて済むよう、少しでも良い方向に向かっていけるよう、この一年も持てる力を尽くして取り組んでまいります。

 

〔No.69 その他の内容〕

●紀行文 :・チャガ民族の「植林」とは
      ・植林ワークキャンプ植林地を再訪して
●植林活動:・大雨期植林に向けた準備始まる
●収入向上:・「みつばちの森」展示林予定地の選定中
●生活改善: 改良カマドの設置、順調に進む
●自活支援:・裁縫教室、新学期が間もなく始まります
●その他 :・保険制度の変更に翻弄される診療所
      ・エールフランス、キリマンジャロ直行便、運休が発表される
      ・タンザニアの発電容量3,000MW台に
      ・キリマンジャロ山でも、富士山でも

 

関連投稿: 「タンザニアでの選挙と活動への影響」

 

不要な外国紙幣、コインをお送りください!

キャッチ画像

タンザニア・ポレポレクラブは書き損じ葉書、使用済み切手、不要書籍などを集めていますが、使うあてのない外国紙幣、コインも集めています。これらは換金され、キリマンジャロ山での植林活動に役立てられています。

収集活動にご協力いただいた方には、何本の植林に繋がったかを記載したお礼のハガキをお送りしております。また企業、団体様の場合、毎月当会ホームページでもご報告させていただいております。

職場や学校などでもぜひ呼びかけてみてください。呼びかけ用のチラシを次のリンクからダウンロードいただけます(収集活動 呼びかけチラシ (PDF))。

 

不要外国紙幣・コイン、その他収集物の送り先:
 タンザニア・ポレポレクラブ
 〒107-0062 東京都港区南青山6-1-32-103

収集活動について
一覧へ