タンザニアでの選挙と活動への影響

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海外活動その他

村での投票の様子

キリマンジャロ山で山麓住民が利用していた里山の森“ハーフマイル・フォレスト・ストリップ(HMFS)”にまで拡大された国立公園。タンザニア・ポレポレクラブはこの問題を解決するため、大統領に直接問題解決を訴える住民の声を届けようとしています。

しかしここに来てその動きに暗雲が垂れ込めています。タンザニアで今年、来年と2年続けて実施される選挙(今年:地方選挙、来年:総選挙)とそれにからむ政治状況が、国内で問題を指摘する声を抑圧する方向に向かっていると感じられるからです。

当会はこれまで山麓住民の声を届けるために国会議員との関係構築を進め、議員が大統領への進言に動く段階まで来ていました。しかし国内が選挙一色に染まっていく中、野党関係者の大量逮捕、集会禁止、指導者の失踪が相次ぐようになり、それを報道したメディアやSNSの停止がされました。

前回の選挙では、与党による実質的な野党の排除が行われ、選挙の正当性が疑われていました。そうした中、新たに就任したサミア現大統領は、野党との対話を進めるなど、融和的な姿勢をとっていました。

しかし野党関係者に対する相次ぐ不可解な事件やメディア統制、さらには国立公園からの排除に抗議するマサイから投票権を奪うなどの事件が起きると、人権、言論の抑圧、民主的統治の後退として、海外の国々からも問題視する声が上がり始めます。ところがこれに大統領が猛反発します。

キリマンジャロ山において山麓住民の生活を支えていた森にまで国立公園を拡大し、彼らを利用から排除したことは、彼らの生存権と生活権を奪うものであり、そこで住民に対して行われた暴力は、人権問題と直結するものです。

しかしいま、タンザニアの国内状況は、こうした問題に声を上げることを許さない雰囲気になっています。議員もとても大統領に進言できる状況ではなくなっています。

このような状況を打開していくため、当会はタンザニアの人権団体、法律団体等との連携を図っていくことにしています。様々なレベルから国立公園拡大の不当性に対する声があがっていくようにするためです。すでに一部の人権団体とのコンタクトに着手しました。

総選挙が行われるのは来年末であり、タンザニアでは来年いっぱい、あるいはそのプロセスや選挙後の体制次第では来年以降も、不穏な状況が続く可能性があります。当会は引き続き大統領に声を届ける方策を探るとともに、組織連携により足腰の強い取り組み体制を築き、不安定な政治情勢の中でも着実に問題解決にあたっていけるようにしていくつもりです。

 

・メディアの停止について報じるガーディアン紙 (2024/10/3 電子版)

https://www.theguardian.com/world/2024/oct/03/tanzania-citizen-newspaper-publisher-advert-killings-dissidents

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