半乾燥地での養蜂の模様
キリマンジャロ山の麓の半乾燥地で実施している養蜂の採蜜をしてきました。ここでは半乾燥地での養蜂の可能性を探るため、だいぶ古い型のトップバー式養蜂箱を試験的に6箱設置していました。しかしなかなか内検に訪れることができず、かなりの期間置きっぱなしになっていました。
その間にミツバチが出たり入ったりしていたのですが、ようやく時間が取れ、内検をすることに。時期的に採蜜もできるタイミングだったので、採蜜用のバケツを持って村人と出かけました。
こちらは今が一番暑い時期で、炎天下で防護服を着ての内検作業は本当に大変です。もう汗でびっしょり。おまけにアフリカのミツバチは気性が荒くて、養蜂箱の蓋を開けたとん集団で襲いかかってきます。防護服にバチンバチンと音をたてて突撃してきて、慣れない人は生きた心地がしないでしょう。もちろん、ミツバチを大人しくするためのビースモーカー(燻煙器)も使いますが、群れにもよりますが、今回の群れはまったく効き目なし。結局防護服の中にまで潜り込まれ、3カ所刺されてしまいました。腫れあがって痛いです。。。
ビースモーカー、効き目なし!
6箱のうち、内検時点で営巣していたのは2箱。2箱ともかなりの量ハチミツを蓄えていたのですが、うち1箱は巣がお互いにクロスしてしまっていて、ほとんど採蜜できず、実質的に1箱のみの採蜜となりました。
採蜜する際は、ハチミツを全部採ってしまうようなことはしません。巣が作られるトップバーは1箱に全部で24本あるのですが、巣2枚分くらいはミツバチたちが食べるように残しておきます。今回あまりにもミツバチの攻撃が激しく、採蜜はトップバー8本分だけにとどめて撤退しました。
ハチミツの収量は3リットル。きちんと採蜜していれば5リットルは採れたでしょう。今回見た感じでは、きちんと内検をすれば、年2回は採蜜できそうです。つまり1箱から1年間に10リットルの採蜜ができる計算です。また最新の養蜂箱を導入すれば営巣率も上げることができるでしょう。
巣いっぱいに溜められたハチミツ
問題点として、山中の養蜂でも最大の問題となっている害虫対策があります。山中ほどではありませんでしたが、やはり養蜂箱の中に入り込んでいました。そこでまず、昨年末に完成したばかりの害虫侵入防止対策を施した最新型の養蜂箱を設置し、さらにモニターを続けてくことにします。
良い結果が得られれば、事業化に向けて村や村人たちと話し合いを始めます。また蜜源樹植林など、養蜂のための環境整備も必要になってくるでしょう。
キリマンジャロ山での養蜂活動をぜひ応援してください!

タンザニアでハチミツは薬としても用いられ、高い価格で売買されています。キリマンジャロ山では、これまで村人たちの収入を支えていたコーヒー栽培が斜陽化し、家計を苦しくしています。養蜂を普及することは、ハチミツによるあらたな収入を村人にもたらすことになります。
さらに養蜂は、蜜源となる木を植え、森を守っていくことが良好な養蜂環境を生み出し、収入の向上につながっていくことから、山麓住民の植林意欲を持続的に支え、ひいてはキリマンジャロ山の森林保全に対する意識の向上を高めていく大きなメリットがあります。
当会はキリマンジャロ山における養蜂環境の整備、現地に適した改良養蜂箱の開発・普及に努めています。ぜひキリマンジャロ山での養蜂の取り組みを応援してください。
キリマンジャロ山では 10,000円で改良養蜂箱1箱を設置、100円で蜜源樹1本を植えることができます(1口100円からご支援いただけます)。
・ネットでのご寄付 → こちら
・郵便振替でのご寄付
→ 口座番号: 00150-7-77254
加入者名: タンザニア・ポレポレクラブ
※ 郵便振替の場合は、備考欄に「養蜂支援」とご記入ください。