裸地化した尾根で植林に取り組む子どもたち
キリマンジャロ山の村々で4月に始まった今年の大雨季植林ですが、8月も終わろうという現在も続けられています。雨が予想より長く続いているためで、9月初旬に10村目となる最後の村での植林を終え、今期の大雨季植林を完了する予定です。
これまでに植えられた苗木は約7千4百本、このうち約6千本の苗木がカウンターパートのTEACA(Tanzania Environmental Action Association)から、残りが同じくHAKIMAMA(Harakati ya Mlima Kilimanjarop kwa Mazingira na Maisha)から各村に供給されました。
植林に集まってきた村人たち
今大雨季の植林は、山麓住民による森林再生、保全に向けた努力を政府に発信していくことも意識しながら取り組んでいます。そのため先月ロレ村の水源地で取り組んだ植林には、昨年末赴任したモシ県知事にも参加してもらいました。知事は里山の森(バッファゾーンの森)を使えなくなった住民の苦境も理解してくれており、今後も継続した関係づくりに取り組んでいくつもりです。また大雨季植林の模様は現地新聞で取り上げられることになっています。
苗木を植える県知事。植えているの蜜源樹Cordia abyssinica。
一方、各村での植林の機会に、それぞれの村で新たに立ち上げた環境委員会のメンバーを紹介するようにしています。キリマンジャロ山では多くの村が横の連携を図りながら、一致団結して森林保全や森の問題に取り組んでいく必要がありますが、環境委員会は各村でその要となることが期待されています。 今期の大雨季植林もいよいよ明日(29日)のルワ村、そして最後にムシリ村の植林で完了します。最終的な植林本数は約8千本を見込んでいます。
キリマンジャロ山、村人たちの『命の森』を取り戻す取り組みをご支援ください!
キリマンジャロ山には村人たちが生活のために長く利用してきた森があります。しかしその森は自然保護の名のもとに国立公園に取り込まれ、村人たちは武器や暴力まで用いて森から追い出されました。自然保護は大切ですが、人の生活もまた大切です。村人たちを苦しめるこの問題を解決するためにぜひみなさまのご支援をお願いいたします。