キリマンジャロ山の麓、モシの町の降雨量
昨年11月、気象庁が2年ぶりにエルニーニョ現象が発生したことを報じましたが、最新版のエルニーニョ監視速報(1月10日付)によれば、そのエルニーニョ現象が現在も続いているとみられ、今後春にかけても続く可能性が高い(80 %)としています。
エルニーニョは南米ペルー沖や熱帯太平洋地域で海面水温が高くなる現象ですが、その影響は地球の裏側、遠くアフリカにまでおよびます。
2015年にアフリカでは、このエルニーニョ現象により多くの国々で干ばつや大豪雨が発生し、深刻な飢饉、病気の蔓延を招きました。ケニアは大豪雨にみまわれましたが、同国は昨年も大豪雨でダムが決壊し多くの人命が失われたばかりであり、4月から始まる大雨季がどうなるか、心配されます。
ここに掲載しているグラフは、キリマンジャロ山の麓にあるモシの町(タンザニア)の2010年から昨年までの年間降水量を示したものです。2015年には隣国ケニアとは異なり、大変な降雨不足に陥ったことが分かります。
この違いが、両国の間に横たわるキリマンジャロ山の存在ゆえなのかは分かりませんが、また降雨不足にみまわれるのでしょうか?
その一方で、グラフからも明らかなように、昨年の降雨量はこの10年間と比較してもその倍以上降っていることが分かります。この点は、昨年大豪雨でダムの決壊を招くに至ったケニアと状況は同じだと言えます。
こうしたことから、私たちは昨年、キリマンジャロ山にある大型の堰の決壊を防いでいくため、堤防への植林を実施しました。
現地では11月から小雨季シーズンになっていますが、この小雨季にも、ここ10年にはなかった量の雨が降っており、それが1月も続いています。
普段「雨は“baraka ya Mungu”(神の恵み)さ」と言っている村人たちも、さすがに「う~ん、これはbaraka(恵み)とはちょっと違うかも・・・」と反応が変わってきています。
アフリカでエルニーニョ現象の影響がどう出るのか、そして今年の大雨季がどうなるか、注意深く見守っていく必要があります。
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