前回のこの欄では、キリマンジャロ山の村々で伝統的に行われてきたハリナシバチ養蜂が、国立公園による森林の囲い込みによって危機に立たされている現状をお伝えしました。
今回はそうした人為的影響によるものではなく、同じ“ハチ仲間”であるミツバチによるハリナシバチの襲撃をお伝えします。今年は早朝に森の近くに行くと、空気全体がヴーという低いノイズに包まれているのに気づきます。この音の正体はミツバチのたてる羽音です。花を咲かせている木のまわりでは、たしかにうるさいくらいの羽音がすることはこれまでもあったのですが、毎日のように森全体が震えるように響いているのは今回が初めてです。
ミツバチが増えているのか、たんなる当たり年なのか、それとも何らかの予兆なのか良く分かりませんが、少々怖いようなそれでいて何とも神秘的なその空気の震えに毎朝包まれていました。
と、ここまでならキリンマンジャロ山でのちょっと不思議な体験のお話しで終われるのですが、じつは困ったこともあります。それは大量のミツバチがミツを求めてハリナシバチの養蜂箱を襲うことです。これがなかなかタチが悪く、とにかく何日間にもわたって執拗に襲い続けます。最後にはハリナシバチを巣から追い出して巣箱を乗っ取るか、巣の中のミツを全部強奪してしまいます。
その状況は上の写真でご覧の通り。朝の神秘体験も一発で冷めてしまうようなミツバチの襲撃で、放っておくとハリナシバチの巣箱を次々と乗っ取られてしまうため、すぐに対応しなければなりません。そこで夜になるのを待って、蜂球(ほうきゅう)ごとミツバチ用の養蜂箱に払い落とします。蜂球の中には女王蜂がいるため、この女王蜂がうまく養蜂箱に入ってくれれば、他のミツバチも全部新しい養蜂箱に移ってきます。その後は養蜂箱を2日間ほど密閉して新しい養蜂箱にミツバチを慣らします。
たくさんのミツバチが暮らせる自然環境は決して悪いものではないと思いますが、巣を奪われるハリナシバチにとっては受難とも言え、痛し痒しです。襲撃ミツバチとの戦いはまだまだ続きそうです。。。
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