カウンターパートのテアカから残念な知らせが届きました。それは、政府の公認校登録を目指していたテアカの裁縫教室が、要件を満たしていないとのことで登録NGとなってしまったのです。
国の認定機関である職業教育訓練公団(VETA)モシ県支部(写真)からは、登録にあたっての書類審査および現場査察の結果、「問題なく登録される」と言われていました。さらにその上位機関であるタンザニア北部地域委員会の局長からも「査察の結果は登録要件を満たしている。委員会の最終決定を待つように」と公式文書で通知されていました。
写真:政府の職業教育訓練公団(VETA)モシ県支部
ところが、その北部地域委員会の最終判断でNGとなってしまったのです。その理由には2つあり、一つは公認校の規定が変更となり、有資格教師の最低人数が新たに設けられたこと。そもそも申請段階で設けられていなかった規定を申請後に追加で適用するというのは、いくら何でもルール違反です。しかしどうにもなりません。テアカの裁縫教室にいる有資格教師は1人。これに対して新たな規定では、あと2名の確保が必要になります。
もう一つは、いくつかの機材の不足。ただしこれはもともと査察時点で指摘され、委員会での最終審査までに調達、整備し、その完了報告をあげることで大丈夫とされていたものです。テアカは査察後、早々にすべての不足機材を整備しVEATAモシ県支部に報告をあげていたのですが、何とその報告が、県支部から北部地域委員会に対してされていなかったのです・・・。
テアカに落ち度はなく、それだけにこの結果に受けたショックは大きく、当然VETAに抗議することになりました。これに対してVEATAからは、規定は変えられないが2月一杯猶予するので、その間に不足する教師を何とかするようにとの妥協案が示されました。
現在1名いる有資格教師でさえ、山奥の僻村に来てもらえる人を探すのに2年もかかりました。それでさえ、それまで裁縫教室で教えていた村の教師の給料の3.5倍もの給料を払ってやっと来てもらえるようになったのです。それを1ヶ月ほどの猶予期間で2名も揃えろというのは、とても猶予といえるような内容ではありません。
そこでさらにVETAに対し、その教師の手配協力を依頼しました。VETAはこれを了解し、なんとか目処はつきつつあります。しかし問題は跳ね上がる人件費です。これをどうするか。当会は今月中旬から現地に入ることにしており、この問題についてテアカと協議することにしています。授業料の値上げは避けられないと思われますが、それ以外にも方策を探ってくるつもりです。
いずれにしろ、裁縫教室の政府公認校登録をこれまでの方針通りに進める計画です。