キリマンジャロ山における地域主体の森林管理の自立に向けて

  1. TOP
  2. 投稿
  3. キリマンジャロ山における地域主体の森林管理の自立に向けて
海外活動森林保全

いま当会は、キリマンジャロ山で国立公園に取り込まれてしまったかつての住民たちの生活の森”ハーフマイル・フォレストストリップ”(以下HMFS)を、再び地域の人々の手に取り戻すための協力を行っています。そのためにキリマンジャロ山でも最大のHMFSを抱えるモシ県において、森林に沿った39村をまとめ、その連合体組織KIHACONE(Kilimanjaro Half mile forest strip Coservation Network)を立ち上げました。

現在このKIHACONEを中心として、国立公園指定解除後を睨んだ地域主体による新たな森林管理の枠組みを策定中です。しかしその持続性を担保していくためには、活動を長く支えていくための資金基盤の確保が欠かせません。そこでKIHACONEは、来年度から39の構成村のそれぞれから会費を集めることを決めました(タンザニアの会計年度は7月から)。ただしこれだけではとても活動維持のための資金には足りません。

次に検討しているのは、森を利用する住民自身が、森林保全のための費用を応分に負担していく仕組みの導入です。利用者負担原則といえば日本ではすでに馴染みのある言葉ではありますが、キリマンジャロ山でその導入を図ることは容易ではありません。タンザニアの独立以前、地域の手にHMFSの森林管理が委ねられていた時代、確かに彼らは自ら森林利用者に利用料を課し、見事に森を守っていました。しかし独立後HMFSが政府の管理下に置かれるようになると、政府はそうした利用料や林産物(木材)への税金を課す一方で、地域住民の森林へのアクセス制限を強め、それどころかまともな森林管理が出来なかったことから、住民は激しく反発することになります。

その後地域による木材の販売は禁止され(政府は伐採継続)、利用料の徴収はされなくなり、HMFSの管理はあってなきが如くの状態になっていきます。HMFSは政府の管理下にあり、その保全は当然政府の役割でしたが、住民にとってはただで森が利用できる期間が長く続くことになります。つまり住民の側には、自然はタダなのだから、タダで使えて当たり前という感覚が醸成されていきました。そこに再び利用者負担の原則を持ち出しても、容易には受け入れられるものではありません。

しかし地域がその利用する森を守れなければ、待っているのは再国立公園化という結末だけです。再度国立公園に編入されることがあれば、HMFSが再び住民たちの手に戻ることはないでしょう。自分たちの手で息長く森を健全に保ち、そして安心して利用していくために必要とされるコストがあること、そしてそのコストは利用する者自身も応分に負担していく必要があるということを、当会とKIHACONEは地域住民たちに何度でも説明を続け、理解を得ていくつもりです。かつて彼らがやり抜いていたことです。時間はかかっても必ず理解を得られると確信しています。

 

KIHACONEのリーダーたちのミーティングの模様

KIHACONEのリーダーたちのミーティングの模様

一覧へ