森林の地域管理を目指す協議会、その自立への道

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海外活動森林保全

当会はキリマンジャロ山で地域が主体となった新たな森林保全・管理の仕組み作りを目指しています(※1)。そのためにこの数年をかけて森林沿いの39村(※2)を結び付け、森林を一元的に管理していくための協議体組織KIHACONE(Kilimanjaro Half-mile forest Strip Network)を立ち上げました。

 

(※1)

ここでいう森林とは、かつて地域住民たちが利用を許されていた”バッファゾーンの森”(Half mile forest strip)を指す。

(※2)

もとは37村であったが、昨年末の地方選挙の際、人口の多い村2つが分割され4村に分かれたことから、現在39村となっている。

 

KIHACONEは今後半年をかけて、地域主体による森林保全・管理のための具体的なフレーム(方法論)を構築していくことにしています。そこがまだ固まりもしないうちに、その先にある「自立」について論じるのは拙速なことかも知れませんが、持続性のない森林管理は、もとより森林管理と呼べるものではありません。

総面積5千ヘクタール以上ある森林を、地域の力で如何に持続的に管理していけるようにするか。この難題に応えるためには、大きく分けて3つの「仕組み」が必要だと考えています。1つ目は、”機能する規則”という仕組み、2つ目は(ある程度の規模の)”持続的資金確保”の仕組み、3つ目は、それらを担保する”法”という仕組みの3つです。

1つ目の”機能する規則”とは、規則は作られるだけでは意味がないということです。その規則が守られてこそ、それは規則たり得ます。当たり前のことのようですが、現地においてこの”機能する規則”を作り上げるのは本当に容易なことではありません。強力な罰則規定を設ければそれで良いかといえば、その罰則規定すら守られないということが十二分にあり得ます。規則が何故規則として機能しないのか、そのことへの考察を欠いてただ作り上げた形ばかりの規則は、決して機能することはありません。

2つ目の”持続的資金確保”の仕組みも、これも当然といえば当然の課題と言えます。現在KIHACONEの委員たちは、各村から会費を集めることを一案として考えています。しかしそれだけでは森林管理に必要で十分な資金を集めることはとても出来ません。では外部からの支援に頼るか?しかしそのこと自体が、すでに支援の切れ目が活動の切れ目となり得る危険性をはらんでいます。一時の支援は必要でも、恒久的な仕組みとしてアテにすることは出来ません。

3つ目の”法”という仕組み。これは上記の1、2を担保するための仕組みだと言えます。地域主体による森林保全・管理が国の政策の中で明文として規定(たとえば森林条例)されてこそ、その仕組みは容易に覆されることのない仕組みとして位置づけられることになります。

当会の役割は、今後KIHACONEと協力して地域主体による新たな森林保全・管理のフレームを作り上げていく中で、それを如何にこの”3つの仕組み”を備えたものとしていくかにあるといえます。まずはKIHACONEとの認識共有を更に深め、両者で納得のいくものを作り上げていきたいと考えています。

 

KIHACONEの代表者会議

KIHACONEの代表者会議での森林保全・管理のフレームについての話し合い

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