Rafikiプロジェクトでは、7月21日~8月8日の日程で現地渡航を行いました。その結果を2回に分けてご報告します。
今回は、3村でのキーパーソンミーティングの結果についてです。
◆今夏渡航の目的
①森に名前を付ける村の意思決定のプロセスを具体化するためにキーパーソンとミーティングを行う。
②森のツールを村の人々の意見に沿ったものとするため、森に関する自慢を聞くアンケートを実施する。
③ガイドブック委員会とミーティングを行い、協力関係を続けていきたい意思を伝える。
◆各実施事項の結果
1.キーパーソン(村長、助役、村区長、村区長のサポート、牧師)と2回のミーティング
2013年7-8月の渡航においては、テマ村の人々の「森を守りたい」という気持ち・活動を村全体の動きにするため、座談会を開催し、Rafikiプロジェクトより「森に名前を付ける」ことを提案しました。村区会議を経て村会議で森の名前を話し合って決めることが決定されましたが、その後の動きが留まっている状況がありました。
その状況を受け、今夏渡航では村のキーパーソン(村長、助役、村区長、村区において村人からの信頼が厚く発言力のある人物、牧師)とのミーティングを2回開催しました。1回目のミーティングではキーパーソンに「森に名前をつける」意義の理解を得ることを目的としました。2回目のミーティングにおいては、村で森に名前を決定する合意形成の方法と村区会議および村会議の日程を確定し、村の人々に森に名前をつけることをどのように説明するかを話し合いました。詳細は以下の通りです。
<テマ村ミーティング1回目の結果>
12名出席(村長・助役は欠席)
昨年の座談会で決定された森に名前を付ける決定プロセス(『村役場→評議委員会→村区会議→村会議』)において、村区会議や村会議で議題として取り上げられず、話し合われていない状況であることがわかりました。ミーティングの出席者の方より、早急に村区会議を開き話し合いを行う必要があるという意見が出され、出席者の皆さんの合意に至りました。また、出席者の方々から、森に名前を付けることのメリットや、より多くの村の人々の意見をもとに決定することの重要性について多くの意見が出されました。
<キディア村ミーティング1回目の結果>
12名出席(村長および7村区中1村区の村区長が欠席)
キディア村では初めてミーティングを行い、植林実績を提示することも初めてであったため、村の人々が植林をしてきた実績がデータとして表れていることについて、時間をかけて説明を行いました。
出席者の方々から、3村周辺の森が守られていることについて理解したという言葉があり、村の人々が守ってきた3村周辺の森に共同で名前を付けることに対し、同意を得ることができました。
<モウォ村ミーティング1回目の結果>
10名出席(村長および助役も出席。)
昨年のテマ村での座談会で3村周辺の森に名前をつけるという情報がモウォ村に入っており、モウォ村では村区会議においてすでに森の名前について話し合いが行われていることがわかりました。3つの村名の頭文字をとったTEKIMOという名前がモウォ村の案として決定されていました。しかし、3つの村の名前を前提にした決定であったため、村人が自由に意見を出し合って決めた結果ではなかったため、Rafikiプロジェクトから、より多くの村の人々で話し合うことを提案し、改めて村区会議を開催し話し合うことに同意を得ました。
<テマ村・キディア村・モウォ村ミーティング2回目の結果>
テマ村: 8名出席(助役出席。村長、5村区中2村区の村区長が欠席)
キディア村: 12出席(村長及び助役出席)
モウォ村: 13名出席(村長出席、助役欠席)
3村共、以下の意思決定プロセスにて進めることに決定しました。
ⅰ)3村の全村区(17)において村区会議を開催し、各村区で森の名前とその理由を決定
ⅱ)3村の村区会議での結果を回収
ⅲ)3村で村会議を開催し、全村区から出された候補名から投票を行う
ⅳ)3村の村会議の結果を回収し、3村の助役が結果を確認する
ⅴ)3村の教会にて結果を発表する
全ての村区会議が8月初旬、3村の村会議は8月24日に実施の予定で決定しました。教会での結果発表は、9月に実施予定です。
村区会議での村の人々へ森に名前をつけることの説明については、①3村周辺の森がいかに守られているか、②名前をつける森の範囲とその範囲の理由、③森に名前をつけることのメリット、④より多くの村の人々の意見で決定することの重要性、⑤政治的に問題となり得る避けるべき森の名前、という内容及び順番で説明を行う、ということで出席者の皆さんから合意を得ました。
モウォ村でのキーパーソンミーティング