Rafikiプロジェクト:現地渡航調査のまとめと今後について(’12/12-2)

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海外活動その他

渡航初日、TEACAへ渡航内容の説明を行っている様子

渡航初日、TEACAへ渡航内容の説明を行っている様子

 

連載形式にてご報告させていただいていた2012年8月渡航調査の記事でしたが、今回、全体のまとめを報告させていただき、終えさせていただきます。

さて、初回の記事にて上げさせていただいた3つの目的をあげ渡航調査を行ったことをご報告させていただきました。繰り返しますと、1つ目は「今まで集めたデータが正しいのか否か確かめよう」という情報の整合性の確認、2つ目は「より多くの村人から一般的な意見を得よう」という情報源をより一般に求めること、3つ目は「村人自身に何か決定してもらおう」という活動に対して村人の関与を広げようという意図、というのがその目的となります。

1つ目の情報の整合性の確認については、以前ご報告させていただいた森や伝統に詳しいお年寄りに集まっていただいた有識者ミーティングなどの日程を中心に、情報を確認することで、多くの情報を精査することができました。また、カウンターパートのTEACAとともmに、情報の整合性の確認方法とその重要性について把握してもらうことができ1つノウハウを作ることができました、また、今後は、信頼できる団体(例えば、TEACAや伝統薬・伝統料理を研究しているFaraja女性グループなど)から直接来た情報以外は、このように複数人で確認を行った上で文字化しようという手順も確認することができました(確認の最中、「毒草」に薬用効果があるという記述があった時には、「これは確認していかなくてはダメだ」とその場にいる全員が苦笑いを…)。そのため、この目的については、概ね達成でき、このやり方を今後継続していくことになります。

2つ目の情報源をより一般に広げることに関しては、教会投票で今までにない数の人から同時に意見を集めるということができました。200人を超える人数に、それもその場にいる人ほぼ全てという回収率で回答を集められたことで、信頼感をもったデータを集めることができました。今後、村の自慢を形にしていく基となると考えています。

3つ目の「村人自身に何か決定してもらおう」という目的に関しては、ご報告させていただいたようにワークショップがうまく進められなかったことから、消化不良の状態で無理に「何か決定してくれ」という状態には達することができませんでした。

 

TEACAへの渡航最終報告会の様子(教会投票結果の報告中)

TEACAへの渡航最終報告会の様子(教会投票結果の報告中)

 

こうした結果を受け、渡航最終日に、TEACAのリーダー達に報告をすると同時に、今後の方針について話し合いを持ちました。その中で、1つ目、2つ目の目標ともに概ね達成されたことを確認しました。ただ、2つ目の目的に関しては、1日で「村人の自慢が把握できました」などということは、当然のことながら言えないため、今後も継続し同じ目的を持った活動を行っていくつもりであること、ただ、その中で教会投票という同じ形で、さらには同じネタでやっても飽きられるため、新しい仕掛けが必要であり、一緒にそれについて考えていって欲しいことを伝えました。

3つめの目的に関しては、Rafiki ProjectもTEACAも試行錯誤の中で活動を行っているが、やはり、「村人全体がこれを決定しました」という裏付けを持ちながら作りたいと考えています。何より、Rafiki(友だち)の名の通り、多くの村人が関わって、決定してこそのRafiki Projectです。ゆえに、「何らかの決定を村人がすること」は模索していきたいことを伝えました。ただ、反省点として、村人にRafiki Projectの内容が知られ、理解されている状況とは言い難いことは事実であり、その中で「村人に何か決定してもらいたい」というのを焦りすぎて行ってしまったであろうという話をもちました。そのため、まずは「村人にRafiki Projectの内容を知ってもらい、意義を理解してもらうこと」を優先するということを伝えました。これは、なにもRafiki Projectの意義を無理矢理教え込むとの意図ではありません。例えば、ワークショップにおいては「自慢」というものが理解されなかったことがうまくいかなかった主な原因でした。Rafiki Projectは森を守ろうとする「気持ち」をより高めるために、「森に関する自慢」を集めています。しかし、それが単にテマ村の伝統を集めている、いわば「文化保存活動」だと認識されていたとしたら、多くの人は興味を持ってくれないでしょう。また、なぜ「森の自慢」を集めるのかの重要性がわからない段階で、「さぁ、自慢を決めましょう」と言われてもピンとこないのは当たり前のことでしょう。まず行うべきなのは、例えば、お年寄りに「こうしたおじいさんしか知らない森に関する伝統が若者に伝わっていかないのは悲しくないですか?」(なくなると悲しいものは、利益をもたらすもの以外は、まさに「自慢」ですよね)といったことや「森の中にある『自慢』がみんなで共有されたら、今以上に森を守ろうとする動きが強くなると思いませんか?」というようなことに同意をもらえる状態になってはじめて、「じゃぁ村の3大自慢を決めよう」ということになるのだと思います。

 

渡航初日、TEACAへ渡航内容の説明を行っている様子

TEACAへの渡航最終報告会の様子(教会投票結果の報告中)

 

少し長くなりましたが、「何かを決定してもらう」というのは、基本的にはこの「Rafiki Projectの内容を知ってもらい、意義を理解してもらうこと」が先に来るべきであり、これからはこの活動に軸足を置くつもりであることを伝えました。そのために、こちらのやっている内容をより広い村人に、知らせるためにも、やはり具体的な形になっているものを持ち込み、村人と多く話すことが必要だと考えています。言葉だけで話すより「自慢とは形にするとこんなもの」というものを実際に見せることが良いと思いますし、具体例が目の前にあった方が、当然、意見を交換しやすいと考えているからです。(また、成果物であれば、現地に「残る」ので我々がいない間にも宣伝もされるでしょう) 。

今回は、渡航最終日に行ったTEACAとの協議をもとに渡航のまとめをご報告させていただきましたが、これは渡航メンバーとTEACAとの間で今後の見通しについて話しただけであります。現在、この最終報告をもとにしつつも、今後の渡航についてどのような形にするのかを、事務局内で話し合っております。また、その方向性については、ここでご報告させていただければと考えています。

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