Rafikiプロジェクト:第2回森林利用調査報告(’12/10-2)

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今回は、今夏タンザニア渡航時に行った森林利用調査に関してご報告させていただきます。

この森林利用調査は、前回(2011年7月)の渡航から行っているものです。多くの村人たちは森の重要性をよく認識していますが、今回の調査では、実際にその重要性を明確な数字を使って表わしてみることを目的として実施しました。

 

(画像1)大量の薪を運ぶ子ども

(画像1) 大量の薪を運ぶ子ども

 

前回行った調査(’12/6)は、村人が利用する森の入口5カ所に調査員を1週間配置し、「何人の村人が、何を目的として森を利用しているのか」を調査しました。この調査によって、テマ村の森林に接している主な2村区のうち、マエデニ村区の利用人数とその目的を把握することができました。今回はその継続調査としてさらに、「村人が森から持ち出している『モノ』の重量を測り、全体で何を何トン持ち出しているのかを把握」し、次に「それらを市場で買った場合の価格に換算し、森林の持つ経済価値を算出」することで、数値化、数量化を試みたものです。村人たちは家畜の飼料や日々の煮炊きに使う薪など、森から多くの利益を得ていますが、そうした利益を、多くの村人たちが具体的な数字でも知ることできれば、これまでとはまた違った角度からも、森の重要性を理解できる機会になるでしょう。そしてそのことがまた、彼らの森を守っていこうというモチベーションをさらに支えてくれると考えています。

(画像2) 草を計測している様子

(画像2) 草を計測している様子

(画像3)大量の草を麻袋に入れ、頭上に載せて運ぶ村人

(画像3) 大量の草を麻袋に入れ、頭上に載せて運ぶ村人


村に入った初日の協議で、村の助役さんから、「せっかくそのような調査をやるのであれば、隣のフォイェニ村区にある森への入り口2か所も追加してはどうか。その2か所を押さえれば、フォイェニ村区から森林に入る人もほぼ把握できるはずだ」との助言をいただき、当初予定していた5か所にこの2か所も追加し、調査を行うことにしました。

調査の方法は、朝8時から夕方17時の間、森から出てくる村人たちが持ってきた草や葉・薪を、吊るし秤を使って計量し、その種類とともに記録する形で行いました。ただ、マイデニ村区では予定していた5か所のうち、3か所目の調査を半日行ったところで、国立公園を管理するKINAPA(キリマンジャロ国立公園公社)の横やりが入り、調査を断念せざるを得なくなりました。隣のフォイェニ村区でも、その影響で1か所目は正確なデータがとれず、2か所目は調査開始時間が遅れたことから、一部不完全なデータとなってしまいました。救いだったのは、前回の調査結果で一部補完がきいたため、参考値ベースでの利用実態(=村全体での持ち出し量とその経済価値)を出すことができたことです。

現在この調査結果をTEACAと村役場に送るため、ポスターと報告書の作成を行っています。TEACAも助役さんも、今回の調査結果は、今後村でもかなり使えるということで期待してくれており、村の人にわかりやすい内容になるよう、頑張っています。

さて、ところで、今回調査を行ったテマ村の2カ所の村区の世帯数と人口は、マイデニ村区が235世帯、1011人、フォイェニ村区が162世帯、759人となっています。各世帯ではたいてい数頭の牛と山羊を飼っており、村人たちはその飼料と煮炊きに必要となる薪の大部分をから得ています。では、今回の調査の結果、この2村区で村人たちが森から得ている飼料と薪は、あわせて月に何トンになったでしょうか?ぜひみなさん考えてみて下さい!答えは次回のご報告に掲載いたします。

 

(画像4) 森林利用調査員

(画像4) 森林利用調査員

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