コーヒー新品種、本格的に結実期を迎える

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当会は村での産業基盤強化を目的として、2000年よりキリマンジャロ山麓テマ村において、キリマンジャロコーヒーの耐病性新品種の普及に向けた取り組みを行ってきた。その第1段階として、まず新品種苗木育苗技術の村への定着を図り、次に第2段階として、畑に定植された苗木の栽培管理指導に力を入れてきた。その畑に定植されたコーヒーが定植後3~5年を経過し、いよいよ本格的な結実期を迎えている。

テマ村では多くの村人たちがコーヒー栽培を放棄したままで、かつての畑には枯れ木となったようなコーヒーの木が無残な姿をさらしている。あるいは多くのコーヒーの木がすでに引き抜かれ、バナナなどほかの作物に転換され、コーヒー畑自体がめっきり少なくなっている。そうした中、結実しはじめた新品種は、目を見張るほど立派な実をたわわに実らせている(写真)。これまで苦労に苦労を重ねてきただけに、「やっとここまできたか」と感慨深いものがある。取り組みをはじめてから10年以上の月日が経った。

 

マロさんの畑でたくさんの実をつける新品種コーヒー

(写真1)マロさんの畑でたくさんの実をつける新品種コーヒー

 

一緒に力を合わせてきたコーヒー生産農家グループKIWAKABO(Kikundi cha wakulima wa kahawa bora)のマロさんの畑を訪ねると、「ウチで採れたコーヒーを淹れたから飲んでいけ」と勧められる。カップに注がれたコーヒーにいろいろな思いが重なる。そんな思いもあったからだろうか、すするようにして口に含んだコーヒーには、深い、深い味わいがあった。美味かった。

 

(写真2)マロさんの家でコーヒーをいただく

(写真2)マロさんの家でコーヒーをいただく

 

とはいえ、コーヒー産業再生の取り組みは、まだ道半ばだ。最終目標は、高価格販売、高収入の実現である。今後当会では、収穫後の一次加工品質の向上に重点的に取り組みんでいく計画である。

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