Rafikiプロジェクトチームは「村の人たちと共に活動を始める第一歩」を渡航テーマに、7月27日から8月16日までの3週間、渡航調査を行ってきました。
今回より、数回にかけて、プロジェクトチームが行ってきた活動についてご報告いたします。
第1回目の今日は、プロジェクトツールの1つである「テマ村の自慢かるた」を使ったキリマンジャロ山麓Olimo小学校での取り組みをご紹介します。
■ 「かるた」カード例
Rafikiプロジェクトでは、森の管理と持続的な使い方に関するキリマンジャロ山麓に暮らす人々の伝統や知恵・技術を次世代に引きつぐことを目的に、”Environmental Education for Children”(環境・伝統教育)の一環として、楽しみながらそれらを学ぶことの出来る『かるた』の作成をしています。
かるたには、現在のところ、村人がテマ村の自慢としてあげてくれた
(1) チャガ民族の伝統(楽器、儀式、農耕システム)
(2) 古から伝わる森の中にある薬草
(3) いわれのある木(伝統家屋に使っていた木、各氏族が大切にしている木他)
(4) 植林地
(5) グループ(女性グループ、コーヒー生産農家グループ他)
の5つのカテゴリーから25個のコンテンツが詰まっています。
今回の渡航では、
① 子どもたちに、楽しみながらチャガの伝統・文化・森について知ってもらう
② 先生方に、授業で使えるか検討してもらう
という2点の目的を持って、この『テマ村の自慢かるた』をテマ村にあるOlimo小学校の5年生の生徒、21名に体験してもらいました。
Olimo小学校
生徒たちはルールに戸惑うことなく、生まれて初めて体験する『かるた』というゲームに終始興奮気味で遊んでくれ、カードを奪い合うほどの人気振りでした。また、かるたの読み札の内容に真剣に耳を傾ける様子や、自分たちの民族の伝統・森の中にある薬草の絵を興味深そうに見つめる様子も伺えました。
生徒たちがかるたで遊ぶ様子
先生方からのフィードバックでは、「チャガの伝統や古の知恵を知るのにとても役に立つだろう」「今の子どもたちは薬草のことはほとんど知らないし、イラストも説明もあって、楽しみながら取り組めるので、子どもたちは喜ぶのではないか」「チャガの文化を学ぶ授業で使いたい」などの意見をもらうことが出来ました。
Olimo小学校と協力して「かるた」ゲームを実施でき、先生方から高評価を頂けたことは、共に活動を始める第一歩になったのではないかと思います。
古の知恵が若い世代に中々受け継がれていないというのは、何も日本だけで起きている問題ではなく、テマ村でも顕著になってきています。
この「かるた」ゲームを通して、子どもたちが楽しみながら自分たちの民族の伝統や森の中にたくさん詰まった古の知恵に触れられるよう、今後もかるたの枚数を増やし、内容を充実させていく予定です。
次回の渡航調査報告では、Natiro中学生との取り組みについてご紹介いたします!