TEACAの自立

  1. TOP
  2. 投稿
  3. TEACAの自立
海外活動その他

今夏行ったタンザニアでの事業調査では、協力相手である女性グループのグループ貯蓄実施状況についても詳細な調査を行ってきた。

現在グループ貯蓄に取り組んでいるのは3グループであるが、うち1グループの積立が滞っており(少なくとも日本でウォッチしていたデータでは)、その原因究明がとくに課題となっていた。ところが実際に現地で調べてみると、問題なのはグループではなく、積立を行っているマイクロクレジット銀行の側にあることが分かった。銀行の担当者の通帳管理がずさんで、積立額の確認がタイムリーに出来ないことが原因であった。マイクロクレジット銀行も、地域に置かれた支所によって管理レベルが異なることが、今回の調査で浮き彫りになり、担当者の能力次第でこうした問題が発生することが分かった。通帳管理については銀行側に改善を求めた。が、何にしても、グループ自体の積立はしっかり行われており、メンバーの意欲も十分に高いことが確認できたのでまずは一安心であった。

 

キランガ女性グループとグループ貯蓄について打ち合わせ中。女性グループメンバーの意欲は十分に高い

キランガ女性グループとグループ貯蓄について打ち合わせ中。女性グループメンバーの意欲は十分に高い

 

さて、自立といえば、カウンターパートであるTEACAの自立も大きな課題だ。今夏立案した事業予算では、予算額に占める自己資金比率は47%であった。しかし収入予算がかなり強めで、意気込みは評価するが、実力的には34%程度だと見ている。不足分は当然外部資金に頼らざるを得ないが、残りの半分(実力的には7割弱)を、すぐに自力で確保していくことは難しい。

もっとも、展望がないわけではない。昨年度完工したレンタルハウスは、今後コンスタントな収入をTEACAにもたらすことは間違いない。実力的に見ても、その時点で自己資金比率は40%台に乗るだろう。また自己資金というわけではないが、最近のTEACAの活動が、地方政府やロータリークラブあるいは海外のNGOなどから高い評価を受けていることは、今後の収入源の多様化に道を開くものだろう。それもTEACAの実力の一つといえるだろうか。

今後ポレポレクラブでは、TEACAの自立や活動のさらなる強化、安定に向けて、政府(副首相府による環境プログラムへの資金支援)や、国際機関による同様のプログラム(COMPACT)の導入も視野に入れ、活動に取り組んでいきたいと考えている。ただし将来的には、キリマンジャロ山での地域主導による環境保全活動を長期的に支えていくためにも、それを目的とした基金が設立されることが一番望ましいと考えている。

一覧へ