国立公園内での地域主導による植林ついに始まる

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海外活動森林保全

タンザニアでは、4月から6月にかけての大雨季にあわせ、各地で一斉に植林が実施された。そしてこの大雨季植林では、キリマンジャロ山の国立公園内(かつて住民の利用が認められていたハーフマイル・フォレスト・ストリップ)における、「地域(=村)主導」による植林がついに実行に移された。

これはキリマンジャロ山の森を、過去の管理強化(住民の追い出し)による森林政策の失敗の反省に立ち、地域のイニシアティブによって持続的に保全、管理していくことを目指してきた私たちの取り組みにとって、大きな前進といえる。これまでキリマンジャロ山の村々、そして中央・州・県の政府各レベルと地道に続けてきた協議の積み重ねと、地域主導に対する理解の深まりによって、ようやく実現に至ったものだ。

 

写真1: 地域主導植林について村人たちと協議する

写真1: 地域主導植林について村人たちと協議する

 

今回植林が取り組まれた主力地は、キリマンジャロ東南山麓、標高約1,700mにあるルワ村とロレ・マレラ村の2ヶ所。まず最初にルワ村での植林が口火を切ったが、ここでの植林には、県知事、県統括官、州水源涵養森林局、県森林局ほか、ルワ村以外からも4村が参加。NGO2団体、神学校も参加した。何より、地域から参加した村人の数は723名に達した。この数はそのまま、”自分たちの森は自分たちで守る”という、彼らの強い思いの表れだと言って良いだろう。

この植林は多くのメディアからも注目されるところとなり、テレビ局1社、ラジオ局3社、新聞社2紙が取材に訪れた。期間中植林されたのは、Grevillea Robusta(5,500本)、Pinus Patula(5,500本)、Macaranga Kilimandscharica(500本)、Ocotea Usambarensis(400本)、Cedrela Odorata(500本)、挿し木のMitragyna Rubrostipulata(1,000本)の合計13,400本であった。

ルワ村に続いて、ロレ・マレラ村でも地域主導植林が実施された。こちらでの植林にも村人384人、森林官8名、地元の小学校2校、ロータリークラブから地域代表を含む3名が参加した。植林樹種はPinus Patula(3,000本)、Croton Macrostachys(200本)、Cedrela Odorata(700本)、Trema Orentalis(100本)の合計4,000本であった。

現地ではいまも植林が続いている。ロレ・マレラ村に続いて、オールドモシのキディア村が植林に入っており、その後テマ村、モヲ村と続く予定である。この大雨季の植林総数は2万本から2万5千本に達するだろう。

 

写真2: 植林前のルワ村植林地の様子

写真2: 植林前のルワ村植林地の様子

 

写真3: 植林に集まってきたルワ村の村人たち

写真3: 植林に集まってきたルワ村の村人たち

 

写真4: ルワ村での植林の模様

写真4: ルワ村での植林の模様

 

写真5: 植林前のロレ・マレラ村植林地の様子

写真5: 植林前のロレ・マレラ村植林地の様子

 

写真6: 植林に集まってきたロレ・マレラ村の村人たち

写真6: 植林に集まってきたロレ・マレラ村の村人たち

 

写真7: ロレ・マレラ村での植林の模様

写真7: ロレ・マレラ村での植林の模様

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