事務局日誌: 村にインターネットがやってきた!?

  1. TOP
  2. 投稿
  3. 事務局日誌: 村にインターネットがやってきた!?
その他

タンザニアでも都市や町に限らず、いまや村の中でも携帯電話は市民の必須アイテムだ。キリマンジャロ山の中の村でさえ、多くの村人たちが携帯を手にしている。すべての家に電気があるわけではないので、そうした人たちは近所の家などで充電させてもらっている。

売り出されている携帯の機種も、欧州のNOKIAや韓国のSAMSUNGなど日本の携帯と遜色のない立派なものが店頭に並んでおり、自分が本当にタンザニア居るのか戸惑うほどである。機種ばかりでなく、携帯電話サービスを提供する会社も次々と増え、各社でサービスを争っている。このへんも日本と少しも変わりがない。

しかしこれがインターネットとなってくると、かなり事情が異なってくる。発展途上国で携帯電話が爆発的に普及するのは、有線電話の設置に比べて、インフラ整備のコストが低いためである。電柱や電線を張り巡らすとなると、それに必要となる資金は半端なものではない。しかし携帯なら、アンテナを立てればそれで済んでしまう。

一方、ネットは今のところ有線が主力なので、村にいるとパソコンは使えても、インターネットは使うことができない。必要となれば、山を下りて町のネットカフェに行くしかない。なので村では10年経ってもインターネットは使えまいと思っていた。村までネット回線のためのラインが引かれるとはとても思えなかったからである。

ところが、最近になって無線モデムが少しずつ出回りはじめ、携帯電話会社のサービスを使って、インターネット接続ができるようになってきた。そこでさっそく無線モデムを購入し、「これで村でもインターネットを使えるようになる!」とばかりに、意気揚々と村に帰ってきた。

しかし・・・。もともとキリマンジャロの険しい山の中では、ただでさえ電波が弱く、携帯電話でさえ受信に苦労していたのが、パソコンに接続したモデムではさらに受信が困難で、殆ど接続できないことが判明した。かろうじて受信できる場所を探すだけで2時間ほどもかかってしまい、しかも天気によって受信できる場所が変わってしまう(!)という、日本では考えられない事態に直面してしまった。接続できる場所を探してパソコンを持って歩き回るなどというのは明らかに時間の無駄で、そもそも屋外でパソコン作業などできたものではない。

こうして当初の高揚した気持ちは一気に意気消沈に変わり、「Pole sana(お気の毒に)」と村人に慰められる始末である。今では「村でインターネットを使おうなどというのがそもそもの間違いなのだ、ここはアフリカだ!!」と自らを慰めている・・・。

一覧へ